これはAirbnbの創設者たちの物語だ、フィクションかと疑いたくなるくらい、彼らは多くの壁を乗り越えてきた。発端はサンフランシスコの住んでいるアパートメントの賃料の値上げから始まる。不足分の賃料を賄うために、彼らは部屋にエアマットを敷き、加えて朝食も用意する、そんな商売を始めた。
今では世界の3万都市以上に宿泊先を展開するAirbnbだが、始めはこれほど小さなビジネスから始まったということは驚きだ。
始めはビジネスとして成立するなんて誰も思わなかった、「宿泊=ホテル」だ。プロのホテルマンによるおもてなし、充実したアメニティグッズ、しっかりとしたセキュリティ、宿泊とはつまりはそういうことだ。他人の家に泊まるなんて考えられない。このビジネスはたくさんの嘲笑を受けた。
今挙げたように、セキュリティも大きな課題だ。ビジネスとして軌道に乗ってきた時に、悲しい事件も数度起きている。1%を遥かに下回るが、それでも新規ビジネスは目立ちやすい。また、その対応と姿勢をうまく選択できなかったが故により火を大きくしてしまったこともある。
規模が拡大すればいよいよ既得権を持つ者たちが黙っていない、Airbnbは宿泊市場の破壊者というレッテルを貼られることになる。
本書ではこれらの高く分厚い壁を、創業者である彼らがどのように乗り越えてきたのか、一つの物語として記されている。「世界中を自分の居場所にすること」、アツくシビれる彼らとAirbnbというサービスの成長をぜひ手にとって読んでみてほしい。チャレンジすることとはこれほど尊いものかと、あなたの心が揺さぶられるだろう。
Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法
- 作者: リー・ギャラガー,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本
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