HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】挑戦には、経験という成功が必ず待っている『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』

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著者は大学では工学部に在籍し、法律とは縁がなかったが、人生の中で司法試験突破を目指して勉強していた期間が、最も楽しかったという。試験当日も難しいながらも、楽しすぎて胸の高まりが止まらないほどの気分だったそうだ。

そんな時間を送ることこそ、人生にとっての醍醐味なのだろう。また、それほど楽しければ、勉強や仕事をすることも苦にならず、また努力も努力と感じず、毎日が楽しくて仕方がないはずだ。

しかし、そんな著者も、弁護士になってから10年たたずに弁護士業をすることはなくなったそうだ。なぜなら、著者には法律以外にも楽しかったことがあったからだ。それは、バッグパッカーとして世界中を旅したことだ。

一泊数百円程度のボロボロの宿に泊まったり、大量の虫の中で寝たこともあったそうだが、そういう経験もゲーム感覚で楽しみ、自分の許容範囲を広げられれば、怖いものはなくなるという。

辛い状況に陥っても、日々の過ごし方や、意識によって感情をコントロールすることができ、感情をごまかすことで、楽しくもなってくるそうだ。

このように何かに挑戦し、例え失敗したとしても、その概念を自分の中から消せば、挑戦したという経験が必ず残る。本当の失敗は何もしないでいることなのだ。

評者もここ最近、会社の事情により弁護士と仕事をすることになった。責任を負うはずの代表は入院してしまい、会社を最善の方向へと導くように努力している。やはり、専門家の知識を得ることで、様々なことが少しずつクリアになっていく。

M&Aや事業承継、債権者との交渉など、これを機に今まで知らなかった様々なことを学んだ。また、会社の経営は、例え失敗し、多額の負債ができても、代表個人にはそれほど影響を及ぼすこともなく、会社員に甘んじていることの方が、よっぽどリスクだと感じる。

評者が代表に代わり苦労して奔走し、少しでも長く会社が継続できるようにと、あちらこちらで交渉しても、自分は何も悪くないのに罵倒され、代表にかわり頭を下げても、従業員である以上、ただの仕事にかわりない。

そんなこんなで、少し先の予定もなかなか立てられず、これからどうなるのか今だもって想像がつかない。著者が感じた楽しすぎて胸の高まりが止まらない気分は、いつ訪れるのだろうか。

 

日本一稼ぐ弁護士の仕事術

日本一稼ぐ弁護士の仕事術

 

 

【書評】信用力で天下を取った家康『関ヶ原』

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 天下分け目の戦いが行われた『関ヶ原』。そこには、石田三成VS徳川家康をめぐる諸侯の複雑な思惑が絡んでいました。歴史の転換点を往年の名作家、司馬遼太郎が描いた時代小説です。

 それだけだと名作とはいえ、普通の時代小説です。僕も10年ぶりにこの本を読むまで、石田三成への感情移入だけで読んでいました。しかし10年ぶりにこの本を手に取ったとき感じ方が全く変わったのです。

 どう変わったのか。それは今までと逆の
「家康スゲェ!」
ということでした。

まず、豊臣家の忠実な官僚である石田三成は、日本列島の東西から中央の家康を挟み撃ちにするという前代未聞の大計画を考えました。しかし、大きな計画にはいろんな変数が入ることで穴が無数にできるもの。まして連絡手段のない時代なら計画には齟齬がつきものです。その穴を家康はことごとく突いていきます。

 家康はどういう手法をとったでしょうか。実は単純です。まず信用を積み上げたのです。家康は自分の天下取りのチャンスが秀吉の死後にしかないと気づいて戦略を立てたのです。それは「恩を売る」という戦略です。秀吉だけでなく、他の大名にも愛想よくその人の利益になることをしたり、キーパーソンをおさえたりしていきます。

対する三成は風紀委員のようなタイプですから、あまり人には好かれません。秀吉の死後、豊臣政権は二分されます。
「どっちについていくか?」
「そりゃ家康さんですよ。」
 という人が蓋を開けたら圧倒的だったのです。

いわば、関ヶ原というのは信用力を積み上げた家康の精算の場だったのです。その後
「話が違うじゃないか」という声が出ても、当然、家康は天下人におさまります。

 「汚い」と中学生の僕は家康のことをそう思いました。しかし本当にそうでしょうか。家康は苦手でも信用を積み上げることを日頃から継続して行い、大芝居をするときも、強力なサクラを準備しました。そういう強かな根気強さを見習わないといけないと思ったのです。せっかくやりたいことがあっても、小さいことをコツコツ積み上げていくことと信用力を失えば、絵に描いた餅になる。
 
一度読んだ人もそうでない人も、信用力で天下を取った家康という視点で読んでみたら、いろいろと発見があると思います。
 

 

関ヶ原(上)(新潮文庫)

関ヶ原(上)(新潮文庫)

 

 

【書評】一人前ではなく、一流へ!『「読む」「書く」「考える」は5分でやりなさい!』

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「5分あれば400も文字の原稿が1枚書ける」と聞くと超人のように感じますよね。本書は忙しい時間と気持ちをコントロールして周囲より一段高い仕事をする秘訣が書いてあります。

まず、仕事の早い人はそもそも手をつけるのが速い。例え5分でも空けば仕事を進める。この時、速く手をつけるが、焦らないように気持ちをコントロールすること重要。速く手をつけることと、速く作業をすることの違いが理解できます。

また、急げば回れのように、速く手をつけて速く終わらせるには、日頃から新聞なので早く情報を得ることと合わせて、専門書を注釈まで読み込むことが重要です。特に専門書の読み込みが一流への近道。簡単な本ばかりでなく専門書も読もう!

著者は、株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役京都大学法学部卒業後、銀行員を経て海外留学でMBA取得。その後は、企業規模、業種を問わず、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年百回以上の講演を行う。本書には一流のコンサルタントの仕事方法が満載です。

5分で400も文字の原稿が1枚書けるような一流になるには、隙間時間であっても直ぐに手を出す行動の速さと専門書を読み込むことが大切。直ぐやる時間とまとまった時間の両方をコントロールできるようになりたい人におススメです。

 

 

【書評】20年前の本を読んでみた。 『経済ってそういう事だったのか会議』

 

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政治って簡単に言うと、税金をどう集め、どう使うのか。
シンプルに、ただそれだけなんです。
それがどうしてこんなに複雑に。
竹中平蔵さんと佐藤雅彦さんの経済対談。
20年前の対談本ですが、今読んでも勉強になるし、書いてあることが20年後の今の世界で現実に起きている面白さも、実感できます。

東京と木更津をつなぐアクアラインは途中から海の下に潜って行きます。そのまま海の上を走っていけば良いのに何故?
簡単に説明すると、コンクリート会社と鉄骨会社で建設費用を分け合いたかったから…。
世の中の本音を知る書籍です。

政治に全く興味のない方でも対談形式の文章なので読みやすいです。
なるほど。そうなんだ。と何度も頷く作品になっていますので、是非おすすめ、竹中さんの人柄も見えて来るのが、なお面白い。

20年も前に書かれた作品なのに、色褪せない理由は、内容が核心をついているからだと思います。日常で皆さんが何故?
と感じる理由も政治的な理由があるのかも…。
モヤモヤが多い今だからこそ読むべき一冊です。

 

 

【書評】きっと旅に行きたくなる!会いに行きたくなる!旅のお供に『とほvol.31 (宿主に会いに行く旅)』

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旅に目的やテーマを持つのも面白い。今回のとほ宿53宿は殆んど北海道!そして本書の宿主の殆んどは本州出身。自分のとっておきの場所で営んでいるの様子が見てて楽しい1冊です。

宿の紹介の合間のトピックがおすすめ!

"家主データバンク"では、どんな人が宿を始めたのか?○○の経験は必要か?など、家主を始めたい人にも興味深いデータではないでしょうか?
"女将の小部屋"では、結婚と同時に宿を営むことになった女将の本音が対談形式で書いてある。楽しそうな宿の主人達も幅広く時間の長い仕事で大変なんだなと。旅先では私もこうしよう!という発見もあるトークでした。


1人旅では、宿主やゲストとの合流がよくあります。初めての方もこの本を見たら行きやすいかもしれません。バックパッカーやライダーさんだけでなく、面白い宿でゆっくり過ごしてみたい方におすすめの1冊です。

私自身、ずっと泊まりたかった十勝の『エゾリス君の宿 カンタベリー』でこの本と出会いました。この宿では、カフェコーナーで5時間ぐらいリスや野鳥を観察してまったり過ごしました。
何気なく購入したところ、宿泊特権やスタンプラリーもあり、北海道を周りたくなるようなおすすめの1冊です。

 

とほvol.31 (宿主に会いに行く旅)

とほvol.31 (宿主に会いに行く旅)

 

 

【書評】他人の痛みを想像する心を、我々は訓練して身につけるべきだ。『二十一世紀に生きる君たちへ(併載:洪庵のたいまつ)』

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斎藤道三織田信長緒方洪庵土方歳三坂本龍馬正岡子規秋山真之、、、。
司馬遼太郎氏の数々の歴史人物に対する愛情は半端ない。つまりは人間への愛情が半端ない。彼の小説は、私たち人間への愛と優しさに満ち溢れているのだ。

21世紀に入りもう20年が経とうとしている。
本書は、著者が日本の行く末を憂い、1987年・1989年に小学校5・6年生の国語の教科書のために書いた作品だが、評者は今でも本書をよく読み返す。

ここには、人間にとって最も大切なことが、凝縮されているように感じるからだ。歴史人物に対する好奇心に満ち溢れた人生を送った著者だからこその、私たち現代人への愛と優しさが詰まっている。

私たちはいつの時代にも、自然に対する畏敬の念を忘れてはいけないと、著者は語る。

20世紀という時代は、ある意味では自然への恐れが薄くなった時代だった。しかしどんなに科学技術が発展しようとも、「我々が自然によって生かされている」ということは、いつの時代においても、不変の事実である。

そして私たち人間は決しておろかではない。21世紀の人間はよりいっそう自然を尊敬するようになるだろうと、著者は希望を持っていた。自然の一部である人間どうしについても、前世紀にもまして尊敬し合うようになるに違いない、と。

果たして私たちはそうなれているのだろうか。なれていないとしたら、足りないものはなんだろう。

私たちにとって大切なのは、すなおさではないだろうか。自然や他者に対し、すなおに尊敬できる態度が必要とされているのではないか。

そしてそのために私たちは、自己を確立しなければならない。
すなおでかしこい自己を。

人間は決して孤立して生きられるようには作られていない。助け合って生きるように作られている。
それでは、そんな気持ちや行動のもとはなにか。

それは、他人の痛みを感じる心。つまりはやさしさである。

私たちはこの心を、訓練して身につけなければいけないのだと、著者は伝えている。やさしさとは決して勝手には身につかない。訓練が必要なのだと。偽善でも自己満足でも、それはきっと姿勢の問題なんだと思う。

著者が数々の本を書いてきて伝えたかったのは、ひょっとしてこのことではないだろうか。

他人の痛みを想像する力を、日々訓練する。これが生きるということなのではないだろうか。

SNSによるコミュニケーションが主流となり、人と人の物理的距離が離れた現代だからこそ、想像力ややさしさがより一層必要になる。やさしさとは強さなんだと、評者は思う。

 

【書評】失敗作にみるシェイクスピアの真骨頂『ハムレット』

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 言わずと知れたシェイクスピアの傑作。彼の作品の中で最も長いものとされている。
 モデルは12世紀の歴史家サクソ・グラマティクスによって書かれた「デンマーク人の事績」に登場する「アムレート」。実在した人物であるかどうかは定かではない。

 シェイクスピア劇は「性格の悲劇」と評されることがある。運命や悲運ゆえに起きた悲劇ではなく、登場人物の性格こそが大きな悲劇の要因となっているのだ。
 ハムレットはその代表的な一例といえる。

 このハムレットという作品、実は失敗作だ、という見方もある。先に紹介した「デンマーク人の事績」を素材としているため、シェイクスピアの表現とは思えない記述であったり、本筋と関係のないエピソードが混ざり込んだりしているためだ。
 では、何故シェイクスピア作品の中で最も知られたものになったのだろうか。
 それは、主人公ハムレットのキャラクターによるものだろう。「アムレート」によるただの復讐談に過ぎない「デンマーク人の事績」に対し、ハムレットの複雑な性格はあまりにも強烈である。    
 このような登場人物の性格造型こそシェイクスピアの真骨頂と言えるだろう。

 シェイクスピア作品をまず読むならハムレット!という人も多いと思うが、長い作品であり、さらに唐突な表現があったりして少々読みずらい。読了するには骨が折れるだろう。
 シェイクスピアらしさをみるのであれば、作品全体というより、主人公ハムレットにフォーカスして読んでみても面白い。

 シェイクスピア作品に限らず、どの物語もあらすじ自体はもちろん重要だが、結局人々が共感するのは登場人物のキャラクターそのものなのだろう。

 

ハムレット (新潮文庫)

ハムレット (新潮文庫)

 

 

【書評】シェイクスピアが現代に突き付けたテーゼ『オセロー』

 

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 シェイクスピア四大悲劇の一つ。原典はチンティオという作家の作品「百話集」の中の一話と言われている。ただ、この「百話集」は現実的な不都合を描いた教訓話で、人間心理の根源に迫るシェイクスピアの悲劇とはだいぶトーンが異なっていたようだ。
 原典からさらに深い悲劇を創造するシェイクスピア。その芸術性を感じられるのが、このオセローである。

 主人公のオセローはムーア人で黒い肌の持ち主。ヨーロッパ文学の主人公に黒い肌の持ち主がすえられる事自体が珍しいのだが、そのパーソナリティが高潔であるという点がユニークである。
 オセローの心は高潔である。だが、白人が支配する社会にあって彼の肌は黒いのだ。これが、「オセロー」のモチーフとも言える。

 美しく家柄のよいデズデモーナが、なぜ肌の黒いムーア人のオセローを夫としたのか。
 デズデモーナは高潔で、勇敢で、正直なオセローの人柄を愛した。その人柄はオセローの個性が培ったものであり、肌の黒さもまた彼の個性である。そのようにオセローが捉えていれば悲劇はおこらなかったはずである。だが、オセローは肌の黒さが個性ではなく葛藤と捉えた。故に悲劇は起きてしまったのだ。
 登場人物の心の葛藤。これこそシェイクスピア悲劇の真骨頂なのである。

 「オセロー」は単純明快な筋立てで、シェイクスピアの作品としては珍しい。また、シェイクスピアが創造する深い悲劇も味わえる。そう言った意味でシェイクスピアを読み慣れている人、読み慣れていない人のどちらにもお勧め出来るものである。

 未だ命題となっている「肌の色」というテーマで今後はどのような演出がなされていくのだろうか。

 

オセロー(新潮文庫)

オセロー(新潮文庫)

 

 

【書評】美しいスコットランドの舞台で起こる悲劇『マクベス』

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 十一世紀のスコットランドマクベスがモデル。シェイクスピア四大悲劇のひとつであり、そのなかでも最後に書かれたものとされている。

 シェイクスピアイングランドストラトフォードで生まれた。そのイングランドの王家の血筋はマクベスと対立したダンカンやマルカムの流れを汲んでいる。そのためだろうか作中のマクベスは主人公でありながら悪人として描かれている。だが、実際には当時のルールに沿って善政を行なっていたとう説が有力であり、マクベスが気の毒だという見方もあるようだ。またマクベス劇では時折祟りがあるため事前にお祈りを済ませてから上演することもあるとか…

 この「マクベス」は他のシェイクスピア作品と比べ、些か風土の気配を感じることができる。魔女達が乱舞するシーンはスコットランドの国花であるアザミの荒野、悲劇の舞台は濃い霧の中から浮かび上がる古城。このような背景の表現は他の四大悲劇にはない。作中のスコットランドの風景はイングランドで暮らしていたシェイクスピアが実際に見たものなのかもしれない。

 本作は比較的あらすじが短く、また単純明快でわかりやすい。そう言った意味でシェイクスピア作品をはじめて読む人、また他のシェイクスピア作品を読んでみても分かりづらいと感じた人にはお勧めだ。

シェイクスピアが描く美しきスコットランド。その美しさこそ悲劇の舞台に相応しい…

 

マクベス(新潮文庫)

マクベス(新潮文庫)

 

 

【書評】大文豪が完膚なきまでに否定した名作『リア王』

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 複数の話を絡めてストーリーを展開するのがシェイクスピア作品の特徴の一つある。「リア王」でもケルトの伝承を原文とし、リア王を軸とする主流と、グロスター伯を軸とする傍流の二つが平行してストーリーが展開する。

 日本ではシェイクスピア作品といえば「ハムレット」を思い浮かべる人が多いと思うが、欧米では「リア王」こそナンバーワンという見方も多い。各々の人間関係に載せ、権威と真実との葛藤を問う。ストーリーには影響を与えないが道化の存在もユニーク。なにより歴史的にも長くそして広く評価が定着しているのも事実である。

 数々の名作を生み出し評価されてきたシェイクスピア。それだけに平凡な者がネガティブな意見を述べても天邪鬼にしか見られない。
 では、偉大な文豪の発言であったらどうだろうか。トルストイシェイクスピアを批判している。「トルストイ」。名前くらいは聞いたことがあるだろう。19世紀の大文豪だ。私が「シェイクスピアはつまらん」と言ったところで「あっそう」で終わりだが、「トルストイシェイクスピア嫌いだって」と聞けばシェイクスピアへの評価も揺らぐかもしれない。
 若干唐突にトルストイを登場させてしまったが、彼はシェイクスピア批判の例証として「リア王」を採り上げている。要するにそれだけ「リア王」に対する世間の評価が高かったと言えるのだ。

 先にも述べたが複数のストーリーを絡めてストーリーを展開するのがシェイクスピア作品の特徴の一つだ。だが、この「リア王」は軸となるエピソードの二つだけが扱われおり、シェイクスピアの作品としてはわかりやすいもののようだ。シェイクスピア作品の入口としては「ハムレット」より断然お勧めできる。

 ただ、悲劇だから当然と言えば当然なのだが、ハッピーエンドに慣れているとやはりショッキング。原話はもう少しハッピーらしいのだが、悲劇で終わらせてしまうところこそが、やはりシェイクスピアなのだろうか。

 

リア王 (新潮文庫)

リア王 (新潮文庫)