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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】お客さんに商品を「欲しい!」と自然に思わせることで、セールスを不要にする。『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング 成功と失敗の法則 』

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あなたはマーケティングとセールスの違いを説明できるだろうか?マーケティングとは「顧客をつくり、維持する仕組み」である。つまり、「セールスを不要にすること」がマーケティングを行う究極の目的といえる。

一度商品が購入されたあとも、顧客と積極的にコミュニケーションを取ることで、関係性を強固に維持し、リピートを作り出していく。この一連の流れを半自動的に仕組み化するのがマーケティングである。

評者は経営者ではないので、消費者目線で本書を読んだ。普段何気なく手にしている商品の裏では、こんなに多くのことが考慮されていたのかと、驚きの連続だった。

例えば、一度商品を購入すると定期的に何度もメールマガジンを送ってくるメーカーは多い。正直鬱陶しい。むしろ不快感を与えて、逆効果なんじゃないの?と思っていた。

しかし実際には、メルマガやDMは「読まれないからこそ何度も送るべき」なんだそうだ。そしてより多く、頻繁に送ったほうが効果的だ。とにかくユーザーの目に留まる確率を増やし、行動のきっかけをつくること。やはりアプローチをかけないと販売には繋がらない。重要なのは既存顧客との接点をつくること。そしてこれは「単純接触効果」と言って、有名な心理学の法則である。

そしてマーケティングというと、ついつい新規顧客の獲得を目標にしがちである。しかし目を向けるべきは、新規顧客よりも既存顧客である。既存顧客からの売上を優先したほうが、はるかに効率的とされている。そしてそのアプローチ方法も多様であるが、もっとも効果的なのは、顧客ごとに分類してオファーする方法。

評者はよくORBISのオンラインショップで化粧品を購入するのだが、たしかに既存顧客へのアプローチが上手いと思う。購入金額に応じてランク分けがあり、ポイントやノベルティなどの特典があり、特別感がある。ささいなことではあるが、なんだかんだ次も購入してしまう。そしてポイントを失効したくないという焦りもある。これもまた「与えてから取り上げる」という心理学のテクニックである。人は得られる利益よりも、失うことによる苦痛のほうが大きいというものだ。

消費者目線では気づかないことが多いが、ひとつの商品を購入するだけでも、本当に多くのからくりがあり、マーケティングの方法は無数に存在する。

どれを選べば良いか迷ったとき、優先すべきは「何をやるのか」でも「どのようにやるのか」でもなく、「なぜやるのか」ということだ。なぜを突き詰めていくことで、メーカーにとって大切にしている本質が自ずと見えてくる。本質を見失わず、それぞれに合った施策やテクニックを考えることが結局は一番の近道なのだ。

 

 

【書評】一言一言、本からドリップしていく『探求型読書』

 

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探求型読書とは本を読むことを目的とせず、「本を手掛かりにして、考えること」を意味します。

探求とはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、劇的に変わっていく現代において重要な考え方になり、既存の固定化された知識の枠組みを打破し、新しい問いを見つけていくことを意味します。

そこで、新しい問いを見つけるためには探求学習が必要になります。探求学習とは、生徒が自ら課題を設定し、その課題の解決に向けて情報を収集、整理、分析する一連のプロセスを意味します。

問いを主体的に見つけ、解決策を導く姿勢とスキルを養うこと。
それは「どこかにある答えを探して旅をする時代」ではなく、仮説を立て、現実との乖離を見定めて調節し、最適解を導く方法を手に入れることです。

ややこしい時代をどうやってシンプルにしていくのか。
探求とはいたずらに解釈を広げることなのか、それとも決断までの思考過程なのか。
主体は読者であるあなたです。

 

探究型読書

探究型読書

 

 

【書評】最高の自己投資『成功したければ本を読め!』

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みなさん、「いいね!」の掛け声でご存じの方もいると思いますが、本書はYouTube総再生回数は1.7億回以上、チャンネル登録は100万を超す、日本一のYouTube講演家、鴨頭 嘉人 氏の学習方法のエッセンスが書かれてます。

この本の目的は「本だけを読め」ではない。「インターネットも使え。だから本を読め」なんです。

一見矛盾するようなメッセージですが、本書を読むと真意を理解できます。私は玉石混交のインターネット上の情報から正しい情報を見つけて理解するには、正しい情報が多い「本」というメディアで情報を収集し、理解する能力を身に着けることが重要だと理解しました。最近ネットや動画ばかり見ていたので「本」を読まなくては!

また、本を読んだら「セルフイメージを上げて良い!」という点も興味深いです。月平均で本を全く読まない人が43.7%。一方、月平均で7冊以上の人は3.4%です。これは月平均7冊読んだら上位3.4%のビジネスパーソンと言って良いということ。本を読んで、正しい情報を手に入れるだけではなく、セルフイメージをあげることができるなんてお得ですね!

この本はタイトルの通り「成功」したい人におススメです。
具体的には、本に苦手意識がある人が本を読む気になるための本です。分量も30ページ以内なので取っ掛かりとしても最適です。

情報が氾濫している今の時代、情報を取捨選択する能力が益々必要になってます。正しい情報を発信する本というメディアから継続的に多くを学び、良い情報を「嗅ぎ分ける力」を身に着けて成功しましょう。

本が苦手な方はまずは、本書から始めてみませんか。

私も本は月平均で5冊くらいなので、もっと読みたいと感じました。

 

成功したければ本を読め!

成功したければ本を読め!

 

 

【書評】モノゴトの真髄に至るには?『空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験』

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「納豆は、腐敗しているのか、それとも発酵しているのか?」、さらには「円周率(π)の数値の列から未来のノーベル賞対象論文を探す方法」など、普段考えたことがない内容を事例として、著者の思考方法をトレースしながら、モノゴトの神髄を理解する方法を解き明かしていく。

思考とは、「もしも○○だったら」という好奇心から未来や現在を考えるところから始まる。この時、思考の土台として普遍的なものを基準にすると良い。例えば、熱は熱いところから冷たいところに流れるなど。

一方、社会常識や風習など、見えやすい表面的な事実や現実を元に思考すると、少し環境が変わった途端に役にたたなくなる。私自身はこの箇所を読んでコロナウイルスによる社会の変化を思い出した。

次に、「思考」とは似ているモノとの差分で深めていくもの。未知のモノゴトを考える際、既に理解している似ているモノと比べて予想する。この時、複雑な事柄が、「何かと似ていることに気が付く」には、同じくらい複雑な事柄に深く関わった経験が必要だ。普段から考えないで生きていると、どんどん思考できなくなる気がして私は怖いと感じた。

さらに、「思考するためには感情や信念が必要だ」という。
もちろん、思い込みにより思考を間違うことや見落とすことはある。しかしそれよりも、何かのタイミングで気付き、思い込みから解消された時の楽しさや最後まで思考続ける力として、感情や思い込みが必要だという。特に、新たな未知なる可能性を見出すためには思考し続けることが必要で、そのためには感情や信念が重要。

では、「思考」が出来たとして他人の頭のなかは分からない。それでは、どのように他者に説明して理解を得るのか。

その方法が、「実験」である。実際に実験して証拠を見せたり、体験を共有することが最も理解につながる。実験ができない場合でも、計算問題の途中式のようなイメージで「思考」したプロセスを始めから説明することでロジックとなり理解できる。本書では上記の方法で様々な「思考実験」が紹介されているので、思考を他者に説明する方法としても参考になる。

この本は、変化の激しい現代において、表面的な情報ではなく本質をしっかりと思考し、理解して行動したい人におススメ。具体的には、企業のR&D、企画職などで、新しい何かを開発、計画、実行する方。また、この「思考実験」が出来ると他との差別化ができると感じた。私も開発職なので「スペックが…」とか言ってる場合ではない!

「思考実験」とはモノゴトの神髄に近づき、理解する方法。

本書では多くの「思考実験」の事例をもとに、モノゴトの一側面でしかない表面的な理解や思考ではなく、より本質で水面下にある現実を理解するための「思考」と、それを他者と共有するための「実験」に関して、何度も優しく力強く語りかけてくる。

日々の生活や仕事において、ググって知識を得て、対処して終わりにしている身としては、「思考実験を行う時間を意識的に作ろう」と思う次第。

みなさんも本書を読んで「思考実験」をしてみませんか。

 

空調服を生み出した市ヶ谷弘司の思考実験
 

 

【書評】あなたの会社の成長のお手伝い!『ダイレクトマーケティング 成功と失敗の法則』

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本書のテーマは「ダイレクトマーケティング
これこそは売り上げをあげるための重要なポイントになります。

時代の変化に伴い様々なプラットフォームの出現し使用する媒体の変化も代わっていきます。少し先の時代すら見通せず不安になってしまうかもしれませんが、その中にも変わらないものがあります。

それは、私たち人間です。
私たち人間は機能的にホモサピエンスから少しも変わっていません。
時代とともに環境は変化していきますが、その変化に追随しているとは言えません。
言い換えれば、原始人がジーパンを履いてアップルウォッチをしているようなものです。

人間が変わらないのであれば、その人間を対象とするマーケティングの本質も、実は150年前から変わっていないのです。

本書はそのように古今東西変わらないマーケティングの本質を法則として分類し、読者の問題点に沿って提供してくれます。

マーケティングの本質を掴みたい方にはぜひおすすめです。

 

 

【書評】すべての欲求は、シンプルに貢献を行えば満たされる。『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』

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 人生に絶望し、「うつ」に陥り、マンションの12階から飛び降り自殺を図った本書の著者モカ。そこに至るまでの経緯、入院生活での経験、その後始めた「お悩み相談」の活動、そして悩んでいるすべての人に伝えたいモカからのメッセージが綴られている。

 モカが「お悩み相談」の活動を経て得た知見として、悩みの根源となる原因は大きく3段階あるとしている。
 最も深刻なのが「絶望」。対処法としては「希望」を与える。
 希望はあるが、それが叶えられるか分からない段階が「不安」。この人たちには「勇気」を与える。
 最後にエネルギーをどう発揮したらいいか分からないという段階が「迷い」。こういった人たちには「貢献」を与える。
 相談を生業としていない、モカならではのユニークな知見だ。

 本書でモカが相談者に対し「好きなことをやろう!」と告げる場面が度々出てくる。これは「希望」や「勇気」を与える言葉となり、モカにとっても重要であることに違いない。
 だが、モカが退院後、生きる核としたのは最後の「貢献」だ。これが本書でモカが最も伝えたいことなのだろう。次の1文はそれを端的に表現している。

「すべての欲求は、シンプルに貢献をおこなえば満たされる」(第11章)

 精神科医や心理カウンセラーは尊い職業だ。だが、彼らの言葉が響かない、という人も少なからずいるはずだ。そんな人でも飛び降り自殺を図り一度死んだモカの言葉なら響くかもしれない。
 死を考えたことのある人、或いは死について哲学したい人。気が向いたら障りだけでも読んでみては如何だろう。

 

 

【書評】ITアレルギーの方にオススメ!『バックオフィス最適化マップ』

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効率化の先に増益がありますか?

本書は着金まで視野に入れており、ただの無駄削減を進めているわけではありません。

バックオフィスとは総務や経理などの社内で顧客と直接接することのない職種や業務などを指します。最適化とはその分野において人間の手間暇が過剰にかかったものをITツールを用いて簡便にすることを意味します。しかし、言うは易く行うは難しとはこのことであり、どの企業もIT化に苦戦しているのが現状になります。

本書はそのような問題点の解決のヒントをくれます。ITツールの導入、導入後の運用、増益までの道標が例をとり具体的に記されています。

目指すのは最適化した後の増益、そして単なるITを導入している企業ではなくIT活用の経験が豊富な企業です。今後、生き残るものは変化に対応できる企業と言われています。

ITアレルギーな方にはオススメの一冊です。

 

 

【書評】警官だが今日はフリー・ランスなんだ。『リンゴォ・キッドの休日』

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「神奈川県警二村刑事のお宅ですね」
そ奴は言った。舌先でとろりと溶かしたチョコレートみたいな女の声だった。しかし、警官には違いない。警官は揃って、どこの地図にも載っていない方言をはなすのだ。

舞台は横須賀、銃はトカレフが一丁、死体は三つ。
その事件を巡って、警察に公安、ヤクザ、暴走族、夜の女、情報屋、記者などと絡み合いながら、休日に所轄署の署長から内々の依頼を受けた主人公 二村永爾はドブ板通りを渡り歩く。
非番の刑事を主人公にしたことで、普通の刑事物ではなく、また、日本では成立させ難い探偵物風の筋立てにしているところはなかなか珍しい。

初出は、早川書房の単行本で1978年。もう40年以上も前になる。
流石に時代背景、風俗や情緒などは、現代からするとなかなか想いが届かないだろうが、なんとなく昔はそうだったんだろうと想像で補える。
そういうハンディはあった上でも心配は無用だ。不必要な説明をしていない為にやや難解ではあるが、優れた比喩、スタイリッシュな文体、あまり刑事らしく見えなく、そして腐肉屋な主人公の台詞回しなどが面白く読み進める助けとなってくれる。

本作は、著者のごく初期の作品から顔を出していた神奈川県警の刑事、二村永爾を主人公としたシリーズの第一弾である。中編小説の二本立てとなっている。
そして、二村永爾シリーズはその後も散発的に刊行されている。
1985年『真夜中へもう一歩』
2004年『THE WRONG GOODBYE-ロング・グッドバイ
最新刊の『フィルムノワール/黒色影片』は2014年。
著作の数々の中で、最も息の長い登場人物なのである。

 

リンゴォ・キッドの休日 (角川文庫)

リンゴォ・キッドの休日 (角川文庫)

  • 作者:矢作 俊彦
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: 文庫
 

 

【書評】未知に挑む、だから面白い!『空調服を生み出した市ヶ谷弘司の思考実験』

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夏のうだる暑さを乗り切る上で画期的な発明に空調服があげられる。ジャケットに付いたファンが服内の空気の流れを作る。人間が出す汗の蒸発を促進し、蒸発に必要な気化熱が放出されることで人の体温が下がり、涼しく感じる。コストパフォーマンスは抜群で環境に与える影響も少ない。その空調服を発明した著者がどういったメカニズムで物事を考えているのか学べるのが本書だ。空調服についてだけでなく、AIやタイムマシンといった科学技術、物理学や数学などの具体例を通じて、独自のアプローチで本質に迫る。

本書を読んで興味深かった内容が、「表面上の価値」・「水面下の価値」という考え方である。私達が普段見ている世界は全体のほんの一部でしかなく、見ていないもしくは見えない部分が圧倒的だ。水面下の価値は不透明な上にいろんな事象が複雑に絡みあっている。その見えない世界を少しでも覗けるように人は思考を繰り返し新しい発見を見つけていく。この発見こそが人々の発展や成長に繋がる大事なキーとなる。

もう一つは、「思考は楽しい」ということだ。思考は発明など高尚な内容でなくても、普段のたわいもないことで行われている。「もっとこうなったらいいのになぁ」という思いがあって、試行錯誤していく。そこには思いもよらない気付きがあり、より考えることが楽しくなる。ネット技術の発達で考えるより、まず調べることが常の現代、自分の頭で考える習慣を増やしていきたい。

空調服の発明はそもそも地球温暖化の防止を目的として、宇宙から見た地球を白くするという思考から始まったと筆者は述べている。漠然とした超スケールの始まりがどういった結果に結び付くのか全く予測できないが、その過程で思考を挟むことで中身が、よりリアリティを帯びたものとなる。改めて考えることの大切さを実感できた内容であった。

 

空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験

空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験

  • 作者:市ヶ谷 弘司
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】洗練された製品は、遊び心から生まれる『その仕事、全部やめてみよう~1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」~』

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今、当たり前のように行っている仕事は、本当に必要なものなのか?本書で紹介するのは「To Doリスト」ならぬ、やらないことを明確にする「To Stopリスト」だ。

例えば、定例会議や手作業での集計、資料作成等がそれにあたる。何かを新しく始めるときや、忙しすぎるとき、仕事が非効率なときがリスト作成のタイミングだ。

また、90年代から日本より5年進んでいると言われていたシリコンバレーで働いていた著者の経験から、アメリカと日本の違いについて取りあげている。

iPhoneをはじめとするアメリカの製品は、過剰に品質にこだわる日本の製品よりも洗練され、また遊び心があり、ダイナミックな発想があると言う。

それは、著者が仕事の期限に追われ、焦っていたときに、突如リゾート地に連れていかれてわかったそうだ。仕事だけを黙々と行うのではなく、忙しいときこそ場所を変え、遊び、楽しみ、リフレッシュすることにより、視野が広がり、思考が整理され、やるべきこと、やらなくていいことの区別ができ、ダイナミックなアイディアが出るそうだ。

評者が初めてアメリカへ訪れたときも著者と同じように感じた。そこは、中部の片田舎で日本人を珍しがるようなエリアであったが、それでも日本は東京でさえも何から何まで遅れていると感じた。

人々の考え方や生き方、楽しみ方、様々なシステムやサービス、製品、どれをとってもそうだ。日本が明らかに優れているのは、「食」と「紙製品」と「清潔さ」ぐらいだろうか。

まさにアメリカ人は、人生を楽しみ大人は子供以上に、はしゃぎ、それを日常的に上手く行っている人が多かった。そのような中で生まれる製品だからこそ、洗練され、遊び心があるのだろう。日本人でそのような生き方ができ、またそれを仕事にいかせている人はごくわずか。それが今の日本の状況を物語っているように感じるのだ。