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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】感情を仕事に持ち込むべき理由『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』

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講演会を聞きながら感じた塩田氏の印象はこうだ。
『あぁ、ついにニュータイプの経営者がきた』

新人時代に教わらなかっただろうか?もしくは、先輩や上司にこう言われなかっただろうか?

論理的に説明しろ、で、根拠は何?
感情的になるな、お前の思いは横においておけ
何言ってるか全然わからない、結論から話せ
お前の感想を聞いてるわけじゃない、意見は何?

ビジネスパーソンの登竜門とも言えるこんな指導について、完全に逆行する指南書だ。

理系専攻、一橋でMBA取得までした塩田氏。ハートドリブンな経営、感情を大切に扱うこと、については、明確な根拠と大局観がある。

●便利さ(機能的価値)の時代から、心(感情価値)の時代へ
●画一的な価値観から、多様な価値観を認め合う文化へ
●透明性の加速。DoingからBeingの時代へ

技術の進化が、欲求をシフトする。人がゲームをするのは、感情報酬。
少し聞いただけでも、今の時代はそうだよなと腹落ちできる考え方が豊富に書かれていた。

そう、私たち、本当は感情をもっと大事にして、仕事したいと思っていたのではないだろうか。
学生時代までは、もっと感情表現は自由だったのに、会社に入った途端、言えることや書けることが制約されるのはもちろん、感じることすら抑制されてしまった。

大切なのは、塩田氏のハートドリブン思考は、彼が徹底的に思考タイプに振り切れた経験をして、ズタボロになったからこそ、生まれたものであるということだ。
最初から、魂の解放がどうのと、言っていたわけではない。

父親の死、自分の会社を持つと決めてからの行動力。スタートアップのご多分に漏れず、侵食を惜しんで仕事に没頭し、身も心もボロボロになって、気付いたことだった。だから、説得力がある。

発言したら拍手する、経営会議もチェックインから雑談が続く。いま、どんな気持ちなのか、みんなと共有する。不機嫌なことも隠さない。
安心安全な組織とは、かくあるべきだと私は思った。
アカツキこそ、まさにティール組織だ。

スタートアップで働く方は、共感が多いだろう。
そして、大企業に勤める人こそ、このニュータイプの経営者の考え方は知っておくべきだ。
きっと、救われる考え方があると思う。