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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】経済の見方を知る格好の入門書!『数字で話せ!「世界標準」のニュースの読み方』

まず最初に断っておくが、僕はニュースを見ない。嘘を言っていることが多く、意見の取り方は偏ってるし(そもそも意見は証拠にならないが)、更にネガティブな情報が多く、見るに値しないのだ。とはいえ、情報を得ることは大事なのだろう。情報は自分から掴みに行くものだが、そんな中でも本書では、数字をどういうふうに見れば、世の中の流れを効果的に掴めるのか、の基本が解説されている。どうせ見るなら、正確性の高い情報の見方で見たいだろう。見方が悪ければ、どんなに高度な分析しても、ゴミ同然だ。そんな事態に陥らないためにも、基本的な考え方が書かれているので、非常に参考になる。

まず、本全体が数学的な考えで構成されている事だ。本書には、「貸借対照表」だの「帳簿価格」だの色んな言葉が出てくるが、根本には数学的な考えで構成されている。数学的な考えは、僕が思うに、「パズル」だ。「データがこうなってる、ということはこうだよね?となれば、この戦略がいいよね?」という具合である。数学の証明なんかがまさにこれなのだが、これはまんま国の政治にも当てはまるらしい。例えば、「貸借対照表」。これは、資産、負債のバランスを見るためのものである。なので、「負債はこれだけで、資産はこれだけ。差し引いていくらある(純資産)」、というのを見て、財政状況を判断するとのこと。まさにパズルだろう。要は、知識を組み合わせて思考ができるのか、という話である。なので、そういう意味で本書は、数学の必要性を訴えている本だろう。

本書の中で最も同感なのが、「役人のせい/官僚のせい/国のせい」という思考停止である、という部分だ。当然の話だろう。本書には、「官僚も、ただ決まりに従って仕事をしている訳であって、人のせいにしても建設的では無い」、と書いてある。最もな話だ。僕も同じように考えている。そもそも、選挙で国会議員を選び、その議員が総理を選び、その総理が各省庁の大臣を選ぶ。総理も選挙で選ばれた国会議員から地位を上げたにすぎない。つまり、僕たち国民はその人を選んだのだ。選んでおいて、「国のせいだ」と言って、自分達は何もしないのはおかしな話だ。このように、本書は国の基本のきを教えてくれる本なのである。

 このように、知識を得ることは非常に大切だ。知識は僕たちの視点を、広げてくれる。この高橋洋一氏、現に機械や数学に精通している。また、歴史も大好きらしい。地政学の本すら書いている。そう言う意味では、幅の広い方だと言えるだろう。ぼくは、大学1年生の時に高橋洋一氏の本を初めて読んで、感銘を受けたのを覚えている。その時から「数学をやろう!もっと色んな知識を勉強しよう!」と決意したものである。

本書は、政治についてわからない人向けの入門書だ。自分の国のことなので、ぜひ読んで頂きたい。

書評者:大隈知広

参考文献
高橋洋一(2023)『数学で話せ!「世界標準」のニュースの読み方』エムディーエヌコーポレーション