末期の膵臓癌と診断された著者の亡くなるまでの5ヶ月弱の日々の日記。
素直な言葉で綴られているからこそ吸い込まれるように一気読みしてしてしまった。そして凹んだ。
人間の「生」と「死」がリアルに伝わってきて感情揺さぶられた。カフェで読んでたら泣きそうになってしまって少し変な人になってしまったかもしれない。
でも周りが見えなくなるほど全身で著者の生きた証を感じられた気がする。
本著は残りのページと残りの命がイコールなので、読み進めるほどに病状は悪くなり死へと向かっていく。
私の受け取った印象としては3段階を経て死へ向かっていくように感じた。
「動揺/不安」→「受容」→「意識の錯乱/混沌」
特にショックだったのは(全てショックだったけど)、最後の錯乱/混沌期だ。
痛い、辛いより良いのかもしれないけれど、どんどん人間としての尊厳がなくなっていく気がしてショックだった。
人間としての尊厳なんて考えたことがなかったけど、美味しいコーヒーを飲んでホッとしたり、この本を読んでしょんぼりしたりも全て人間だから感じるのだなぁと。。
著者の山本文緒さん、
実は本著が初めて読んだ作品でした。もう亡くなっておられますが、他の作品も読んでみたいと思います。