日本には現在もいくつもの混浴が残っている。湯が沸いたところに作ったもの。湯治目的で作り、いまだに残っているもの。現在は新しく混浴を作ることはできず、改装もできない。なくなろうとしている日本文化の一つだ。
本書では女性目線での混浴温泉の良さ、そして面白エピソードが紹介されている。
とにかく混浴というものはあったかいんだ。
熊本県に黒川温泉という温泉がある。混浴もあり、湯めぐりができることからカップル・夫婦にも人気の温泉地だ。
筆者が訪れた時熟年夫婦がいた。熟年夫婦は緊張感に包まれていたため筆者がいつものように話しかけた「こんにちは、どこからですか?」。
色々と話をしていると分かったのは今日は定年を迎えた夫との新婚旅行以来の旅行だという。だから、こんなにも緊張感に包まれていたのか。
本書の中では混浴ならではの名言が出てくるが、中でも面白かった名言は混浴では「楽しむのは女性」「主導権は女性」だ。
カップルで混浴にくる人はよくいるが、彼女はすぐに慣れて楽しみ始める。隣でジロジロ見ている人がいないか、と緊張しているのはいつも男。また、女性が入っているとと気を使うのは男。主導権は女性だ。
評者もまた混浴が好きな1人である。混浴は泉質が良いことが多い、囲われていないので、解放感がある。貸切風呂と違い大きな温泉にカップルで入ることができる。そんなことから非常に良い。ただし、人気なところの日帰り温泉は地獄絵図だ笑。