『菊と刀』『空気の研究』など日本人の特徴を研究した有名な本は多数出版されておりますが、こちらは古代日本史を今でも残っている日本人の特徴も踏まえながら書かれた本になります。
例えば「会社などで明日から人の使ったコップを交換して欲しい、もちろん消毒はしっかりしてある」と言われても快く受け入れる人は少ないと思われる。これにはケガレの考え方が残っているからで、この考え方は葬儀の後の塩などにもつながっています。
また十七条の憲法の第一条である「和を以って貴しとなす」の一つの意味として「しっかりと話し合いをして決めるべき」であり、こちらは現代社会においても日本で多くみられる考え方ではないでしょうか?例えば製造業においては、関係部門で話し合って進めていく事を「すり合わせ型」と言われております。
その他キーワードである天皇・言霊・怨霊も日本の習慣や史料内容に関わる具体例を紹介しながら、古代史の逆説(こんな案もあるよね!)を紐解いていく内容になっています。現在発売している『コミックス版 逆説の日本史』全4巻の最後となりますので、今までの3巻と合わせて読んでみると面白い内容となってます。
著者 :井沢元彦(原作・脚本)、千葉きよかず(漫画)
出版社:小学館
発売日:2022年6月22日