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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】自己肯定感の育て方をドイツに学ぶ。『ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか』


 目から鱗だった。海外の話をされても海外の文化だから実現できるのであって、日本に住んでいる限りは日本のやり方を受け入れる必要があると思っていないだろうか。だが、このように「べき」に縛られることによって、どんどん自分自身の価値を自ら下げていたのだ。生きづらさなんて一朝一夕で変わるものじゃない。ちょっとでも楽に生きられたら、人生まるもうけじゃないだろうか?

 大学でドイツ語を学んでいた時にドイツの教育では10歳の年齢で進路を決めなければならないと学んだことがあった。正直びっくりしたのが本音だった。10歳という年齢で自分の人生を決めることを過酷だと思うか?妥当だと思うか?
 著書の中でなぜドイツでは10歳で自分の人生を決めるような教育制度となっているのか、ドイツ人の自己肯定感の高さと絡めて論じられている。ドイツでは親や地域は子が自分の意見を持ち自分の意見を伝えることができるようになれるような働きかけを行う。その結果「自分」という核を自分の中に持ち、他人に振り回されなくなるのだそう。つまり、自分を大切になんて当たり前のことなのである。

 日本人とドイツ人は似ているとよく言われるが、それは勤勉さゆえである。がしかし、実際の勤勉さは日本人とドイツ人は異なっているようである。仕事より休日、仕事より家族や友人との時間、仕事より自分を優先するのがドイツ人である。そのために、仕事時間に集中して仕事し、定時に帰宅し、余暇を満喫する。非常に合理的である。働き方を問われている昨今において、自分の働き方を選択することで自分を大事にしているという感覚を養うのも良いのかもしれない。

 違う文化の話だと言ってしまえばそれで終わりである。ただし、誰も内なる自分に関与はできないはずである。他人を思いやる、空気を読む、すばらしい日本の文化である。ただ、それに合わないと気が付いた時、辛いと思った時に、この著者に書かれているような自分自身を認めるドイツ流の最強メンタル法を実践してもよいのかもしれない。