「キャリアコンサルタント」。徐々に認知され始めてきたがまだ耳馴染みのない言葉。実は昨今のコロナ禍を受け、今後飛躍的に活躍できる可能性が高いブルーオーシャンな国家資格なのである。「キャリアコンサルタント」という言葉を初めて聞いた人にも分かりやすく、それでいて実際に資格取得後も働き方の教科書として親切に導いてくれる一冊となっている。
評者自身あまりどこかで聞いたことがある気はしても、あまり耳慣れないものだった「キャリアコンサルタント」という言葉。もちろん国家資格で国が推し進めていることなど全く知らなかった。そんな評者が初めて読んでも理解できるように構成されており、この資格が気になる!取ってみたい!と思わせる内容となっている。そしてこの本のすごい所はそれだけではない。実際に資格を取った後の具体的な仕事の進め方や立ち回りが親切に書いてあるのだ。起業や税金関係に必要な書類の画像や、SNSや各種サービスを利用した集客方法などまで書いてある。
国は「キャリアコンサルタント10万人養成計画」を掲げ2024年までに2020年現在で5万人いる資格取得者を10万人に倍増させることを目指しているそうだ。しかしそれでも市場の需要に対して、全く供給が追いついていないのだと著者は言っている。試験の合格率は50%前後と決して簡単に取得できる資格とは言えないが、これからを見据え取得を目指してみてもいいのではないだろうかと思えた。
著者はリーマン・ショックでの自身の失業を契機にこの仕事と出会って資格取得を志し、まだ民間資格であった時から合わせて9年間、ダブルワークとしてキャリアコンサルタントの業務を行っているそうだ。今世間は新型コロナウィルス感染症によって、働き方は空前の大変革の時を迎えている。評者自身今後の働き方や仕事について悩み、考えない日はない。そんな時、この「キャリアコンサルタント」というものはとても心強い存在だと感じた。仕事について真剣に考えている人はぜひ一度この本を手に取ってほしい。
この本は真剣に「キャリアコンサルタント」という資格を広めたい著者の熱い思いが伝わってくる一冊となっている。本の中にも書いてある言葉だが、キャリアコンサルタントは仕事で悩んだ相談者の「最後の砦」としての役割を担っているという。本書にはキャリアコンサルタントの具体的な業務などは書かれていない。しかしこの資格が広く世間に認知されることで、リーマン・ショックで多くの失業者が出たときと同様に、昨今の新型コロナウィルス感染症によって仕事悩む人たちが減り、笑顔で働ける人たちが増えるのではないかと思う。