書道家武田双雲の著書である。丁寧と聞いて何を思い浮かべるだろうか?この著書における丁寧とは自分に起こっていることを丁寧に感じるということだ。物事を肯定的に捉え、楽しむことによって、結果的に自分の気が自動的に上がっていくと言う。お金もかけずにハピーになれるなんて、おもしろいメカニズムではないだろうか。
著者は丁寧の例として千利休が作り上げた茶道をあげている。ここで、考えてみよう。茶葉を急須に入れてお湯を注げばお茶は飲めるのだ。敢えて利休は茶を飲むために様々な所作と過程を作り、茶を飲むという行動のプロセスに間や空間を発生させることによって人が何かを感じる時間、空間、雰囲気を足したのだ。人間とは不思議なもので、生活に彩を与えることによって幸福感を得て、幸福を感じるほど人生が豊になっていくのだ。
負のオーラとか負のエネルギーについて相対性理論を持ち出しているのもおもしろい。人間が存在(重力)している限りその個体からエネルギーを発生しており、そのエネルギーが負であれば負のものが近寄ってくるという解説である。なんとなくわかる(笑)。ネガティブなことを考えているとどんどんと負のスパイラルに巻き込まれていくことがある。逆もしかりで、ラッキーな時はとことんラッキーが訪れる。どっちの人生が欲しいか?と問われたら、幸せだろう。
試しにコップに水が注がれる「こぽこぽ」という音を聴いてみた。なんだかかわいらしかった。それだけで楽しくなる。人生そんなもんだ。シンプルで大切なことをこの著書から教わった。