主人公「カフカ」ともう一人の主人公「ナカタさん」の物語、読者の想像力を掻き立てる、とても不思議で壮大なファンタジー小説。
物語は、主人公である15歳の少年「カフカ」が父親との関係に悩み、家出をし、四国に向かう冒険旅から始まる。
一方、もう一人の主人公「ナカタさん」は、猫とお話しが出来る、知的障がいがある中年の男性、「ナカタさん」も「ホシノさん」という相棒と一緒に、なぜか自然と四国に向かう。
各々、全く違う人生を歩んできた二人が、とある運命の定めにより、四国で出会う。最後は不思議な力により、二人の運命が融合し、結末を迎える。
主人公「カフカ」や「ナカタさん」は旅先でいろいろな人(ナカタさんの場合は、ネコ)に出会い会話を交わす。
この会話に出てくる、”言葉”が、何とも表現しがたく、私の心に共鳴し、ジーンときたり、考えたり、物想いにふけったり、自分におきかえたり、村上春樹の世界感に引き寄せられた。
途中でネコの心臓を食べる人間、数千匹の魚が空から降ってくるシーンがある。これも、村上春樹ならではの独特な表現となっており、わたしを驚かせた。
久しぶり(10年ぶりくらい)に、村上作品を読んだ。大変面白かった。違う作品を先日購入した。しばらく村上作品にハマりそうだ。