酒の歴史は蜂蜜酒やワインなどの果実酒から始まる。四大文明の頃には穀物からも酒を作れるようになりビールや日本酒が誕生。さらに蒸留技術の発達はウォッカ、ブランデー、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を生み、大航海時代にはシェリー酒、テキーラ、ラム等々多様な酒が世に広まる………etc
酒の歴史はまだ続くが、とりあえずここまでにしよう。酒それぞれの歴史や雑学を体型的に知りたければ、是非本書を読んでみてほしい。
ここでは本書で紹介されているものの中から、蜂蜜酒「ミード」を挙げてみたい。
ミードの製法は蜂蜜にその三倍程の水を加えそれを一定期間放置するだけ、という極めて簡単なものだ。
バビロニア、古代エジプト、古代ギリシャ、メキシコなど各地にミードが作られていたと思われる記録がある。一説には1万年以上前から存在したとされ、人類最古の酒である可能性が高い。
この蜂蜜酒、実は「ハネムーン」の語源となっている。
中世ゲルマン社会では、月経の周期と同じ一ヶ月の間、新郎に蜂蜜酒を飲ませ子作りに励むという風習があった。それにちなんで、その一ヶ月間を「蜜月」=「ハネムーン(honey moon)」と呼ぶようになったようだ。
今回紹介したのは「ミード」という比較的マイナーな酒だが、ワインやウイスキーなどのメジャーな酒ももちろん紹介されている。メジャーな酒にも全く知らなかった歴史や雑学が数々登場して面白い。
歴史好きにも興味深い本であるが、やはり酒好きがハマる一冊だろう。
ハネムーンでは、是非子作りに励もう。