家政婦をしているシングルマザーの主人公は新しい仕事先へ向かう。そこで出会ったのは80分しか記憶の持たない数学博士。主人公の誕生日を聞いて「友愛数だ!」というように何事も数学で頭が満たされている。数学以外はあまり興味のない博士だが、ある日主人公に10歳の息子がいる事を知り、ぜひ連れてくるようにと指示をする。その息子の髪型を見て√君という名前をつける。
その後、博士の家に通いながら√君との心温まるストーリーが展開される。一緒に野球を見に行ったり博士の誕生日を祝ったり、博士の誕生日にトラブルが起きたり・・・そうした中80分しか持たない記憶も次第に短くなっていきます。そして最後には博士が愛した数式=オイラーの公式が公表されます。オイラーの公式と登場人物が一致した心温まる小説です。
作者: 小川洋子
発売日:2005年11月26日
出版社:新潮社