HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】百貨店は、メッセージを伝えるワクワクする美術館『不安を、ワクワクに変えよう。』

 

不安は、取り除いてもまた次の不安がやってくるそうだ。たとえ不安があったとしても、それ以上のワクワク感を持てばそこから物語が生まれ、それを共有することにより不安を乗り越えられるそうだ。

本書では、物語の一つとしてショーウィンドーを紹介している。ショーウインドーは季節を先取りしているため、前を見る感覚を教えてくれて、自分の未来を感じワクワクするそうだ。また、飾られているものは単なる宣伝目的ではなく、物語やメッセージが込められている。しかし、特に説明文もなく、ただひっそりと置かれているため、立ち止まって眺めなければその物語には気づかない。それは、まるで道端の花のように気づく人だけが気づくもの。そのため、作り手のメッセージに気づいた時に改めてワクワクを感じるのだと言う。

ショーウインドーは、ただ綺麗では意味がない。物語に力を込めるのは、日本に限らず海外でも同じ。特にアメリカは世相を反映する色濃いメッセージをとてもユニークな形で発信している百貨店が多く、見るたびに「なるほどね〜」「凄いな」「そう来たか」といつも感心させられる。

さらに、百貨店は重要文化財や、歴史的建造物として指定されていたり、壁材に使われている大理石に恐竜時代のたくさんの化石が含まれ、店内に1万3千個ものアンモナイトがある百貨店まである。また、期間限定で現代アーティストの作品がディスプレイされていたりと、まるで美術館のようなのだ。

評者も百貨店のその面白さに惹かれてショーウインドーを作る仕事をしていた。そして今では出展にまで手を伸ばすこととなった。店内に一つのお店を作ることがきっかけとなり、百貨店に初めて来た人でも百貨店のその面白さに気づいてもらえると、自分ごとのように嬉しいものなのだ。