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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は一行にしかず...『破天荒フェニックス~オンデーズ再生物語~』

本書は、絶対に倒産すると言われていた負債14億円を抱える「OWNDAYS」の買収と7年にも及ぶ再生のストーリーである。

ビジネスの話しは、ジャンルを問わずどんな内容でもワクワクさせられる。しかし本書は、よくあるビジネス書とは、訳が違う。いったいどれだけハラハラさせたら気が済むのだろうかと思うぐらい、次々と予想外のことが巻き起こる。度重なる資金ショートの危機、嫌がらせ、仲間の裏切り等、もしもこれが現実に自分の身に起きたらと考えると、正に生きた心地がしない。

このようなジェットコースターのようなアップダウンの激しい状況とは裏腹に、とても情緒的な文章表現が印象的だ。激しいストーリーの中の、穏やかさ、優しさ、その緩急が、読者心をよりくすぐり、ページを次々と捲らせていく。

また「OWNDAYS」が扱う商品であるメガネは当時、医療器具という位置づけであった。しかし、それを安価で気軽に楽しめる、まるでファストファッションのようなアイテムとして現在確立したのは「OWNDAYS」のおかげでもある。

さらに現在では激安メガネの新御三家の一社とも言われているが、単なる「安売り」ではなく、本当に「価値のある商売」を目指しているところが注目すべきところだ。

他社では行っていない「OWNDAYS」らしいアイディアを活かし、東日本大震災の際には、自らの多くの店舗も被災した中、メガネやコンタクトを紛失し、困っている人のためにと避難所で無料出張メガネ店を開いた。これは、メガネ販売店としての存在価値を見いだすものとなった。

正直なところ、本書を読むまで「OWNDAYS」を知らなかったが、ページを読み進めていくと、まるで自らも「OWNDAYS」の一員になったような気分となり、実店舗へも足を運んだ。商品や、店舗の雰囲気を確認したり、スタッフを通して本書のストーリーを改めて実感せずにはいられなかったというのが本音だ。

本書は、最後まで気が抜けないストーリー展開となっているが、決して夜に読むことはすすめない。なぜなら、朝まで眠れなくなってしまうほどの面白さが、そこにはあるからだ。

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語  (NewsPicks Book)

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 (NewsPicks Book)