例えば電車に乗り遅れた時、渋滞に巻き込まれた時やギャンブルに負けた時等、日々の生活の中で運が悪いなと思ったことは誰しもがあるだろう。だが、運は自らの力ではどうしようもないものではない。著者は①不安に強くなること、②試行回数を増やすこと、③気づく力を鍛えることで運を高められると述べている。
本書では運にまつわる具体例として、大好きなアーティストの来日公演チケットを取るために神頼みする人と自分の応募に加え周囲の人々に頼み込んで応募依頼を行う人を掲げている。運を操れるのは後者だ。不安に負けた前者の行いは何も現実を変えられない。一方、後者の行為は単純に当選確率を上げることはもちろん、「あの人がチケットを欲しがっている」という情報を広く伝えられる。そうなれば余剰となったチケットを自ら摑み取る機会を高められる。もし、この会で受けられなくても次回以降に掴み取る確立はぐっと上がるはずだ。
もう一つ、「金のなる木の実験」を紹介しよう。キャンパス内学生が通る道の樹木にあるときドル札をつるし、金に気づいた学生を数えたところ、金が吊るされていることに気づいた学生は6%に過ぎないという。変化に気づくものは案外少なく、日頃から気づく力を研ぎ済ませた者だけが幸運を得られることを証明している。
著者はメンタリストとして名高いDaiGo氏である。運に関する本は風水をはじめとし多々見受けられるが、著者の本は研究発表された事例や確立されている理論に基づいて記載されている点で他の著書と一線を画している。また、運を高めるためのテクニックが数多く、かつ簡潔に説明されているため万人向けの内容だ。
日々の生活を少しでも高めたいという思いがあるすべての人へ。本書に記載されている方法を取り入れ、幸運を自ら掴み取る生活を送ろう。