互いの行動を監視し合い容赦なく叩く。正解で溢れた息苦しい現在の世界。この状況を描いたのが著者の作品『えんとつ町のプペル』だ。そこで語られる世界は、著者自身がかつて味わった環境であり現代社会の縮図だという。
著者は、テレビの世界で活躍しながらもそこに疑問を持ち、絵本作家へと転向する。それ自体、何も不思議なことではないが、世の中の人は黙っていなかった。その行動に反発し、著者は世の中の人々から殴られ続けることとなった。しかし、なぜ人々はそのような行動にいたったのかと疑問を持ち、理由を探るために人々に寄り添ってみると、意外にもその原因は自分にあったという。
『えんとつ町のプペル』は2020年12月25日から公開されている映画だが、まずは絵本というかたちで登場した。著者はただ単に人々が求める売れるための商品をつくることには興味がなく、純粋に自分の作品を作ることにこだわり続けているそうだ。
『ゴミ人間』初めて本書を手にした際に、このタイトルにとても衝撃を受けた。本書では、なぜ著者が活躍していた世界を離れ、突如、絵本作家となったのか。また『えんとつ町のプペル』に込められた著者の思いが書かれている。映画を観る前に本書を読めば、より感動のストーリーを楽しむことができるのだ。