先日東京から北海道に遊びにきてくれた友人は同じ大自然を目の前に全然感動していなかった。きっと「今」を楽しめなかったのでは?。心も頭も「ここにいなくていつも心配事やイライラを話していた。伝わるかはわからないけど、そんな友人にこの本は読んで貰いたい。
本書は双子の著者『なほ』と『まほ』が社会での生き辛さや格闘の中で本当の自分を取り戻していく姿、そして旅に出て生きる核心に気付き、『EARTH GYPSY』としてスタートさせるまでのストーリーが綴られているエッセイである。
"今を楽しむこと"、"自分で生きたい"だとまほが気づくまでの前半は読みながら涙が出てきた。変に大人になった今、当たり前のようで、なかなか出来ない事だ。
私がその中で感銘を受けたところから以下の2文を紹介したい。
“「努力」とはカッコいい言葉だけど、心を大切にする努力が人生で一番大事なはずだった。それをすっかり忘れていた。”
“お金もご飯も物もな、分け合ったら本当は貧えな人とか お腹が空いた人とかおらんくなるはずなんやで。人は分け合って生きて行けばいんや”
ここだけ抜き取ると綺麗事のように見えるかもしれない。しかし本気でそう生きていたら?。世の中はどう映るだろうか?あなたは自分の人生を生きているだろうか?
私は"いつか・もしを使って考えていた人生"を振り返ってみた。やりたいことが私にはあったはずだし、先送りにしている事があった。
“本当に、自由に自分が生きたい人生を選んでいたとしたら”
“壁はずっと越え続けなければならないんだ。越えられなかったら「頑張れない」として社会や会社からはみ出てしまう”
「頑張る」を「楽しむ」に変えるだけで見えている世界が少し変わった気がした。その「頑張る」は「楽しんでいる頑張る」なのかな?最近逃げ出したばかりの私には著書を通し「今、ここにいて良かった」と思えた。
そして本書の後半の旅では
“この世界は99%が思い通りになって、残りの1%が思い通りにならないんだ、そんな世界を選んで、生まれてきたんだ”とまとめられている。
え?反対じゃないの?と理解するのが難しいかもしれない。でも、そんな風に世界が見えたら不安もイライラも減るんじゃないかな?
この本には「まほのお守り」のような役目として『アンパンマンのマーチ』の歌詞が度々登場した。著書を読み終えて改めて聞いてみると子ども向けの唄なのに最後まで聞いてビックリした。あーすじぷしーを読み終え、しばらくは人生のテーマソングになりそうだ。
生きるのに不安だったり、退屈していたり、何かを忘れてしまった人に届いて欲しい。「私は、シンプルに生きたい。」と感じた一冊です。