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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人間とはかくもヘンテコな生きものなり『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』

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同じ現象でも見る角度や表現の仕方で、受け取る人の心証が異なります。意図的に表現の仕方を変えれば、相手の心証をコントロールすることができるかも? 本書はサザエさんのような身近な現象を元に、人間の経済行動の真実と理論が学べます。

物を買うという行為は顧客からすると大切な貨幣を提供すること。人は本来合理的な生きものなので、論理的に考えれば人間は可能な限り損をしないように行動をするはず。しかし、ある条件下では全く異なる行動を起こすことがわかっています。

人は価値判断をする際に、無意識に取ってしまっている行動があります。そこにちょっとしたトリックを加えることで、知らず知らずのうちに非合理的な選択へと誘導されているかもしれません。

例えばスーパーに行くと今では当たり前のようにあるPOP。真っ先に顧客の目につくように書かれたPOPに興味を惹かれることも多いのではないでしょうか。POP職人という言葉があるくらい重要であり、POPはお店の売上に大きな影響を与えている。POPを見た人間の心理が関わっているのです。

本書は行動経済学と銘打ってはいますが、本質は心理学です。人と人が交われば自然と感情が動き、行動が起こります。その感情の揺らぎの原因を知ることができると言ってもいいでしょう。物を売るビジネスをする人はもちろん、マネジメントやチームを統制している人には特にオススメです。

人の心情を無視した行動は上手くいきません。短期的には自分にのみ良い結果を出せたとしても、長期的に見たら必ずしっぺ返しをくらいます。行動経済学の各理論については入門編の立ち位置になりますが、知っておくだけで日常生活では非常に有用です。