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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】認めて信じる。大人の役割はこの二つだけ。『親が知っておきたい学びの本質の教科書 教科別編』

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子どもに生き生きとした体験をする種を植えつけるには、大人の側だって同じようにものごとに大いに関心を持ち、好奇心に満ちた目で世の中を眺める習慣が必要になる。本書では、子どもに勉強させようとする前に、まずは親が知っておくべき学びの本質を、識者たちと共に探っていく。

評者は学生時代、地理、世界史、日本史などの社会科目に対してずっと苦手意識を持っていた。ただひたすら暗記させられる感じがものすごく嫌で腹立たしかった。苦手だからテストの点数も悪い。それで余計に嫌いになる。悪循環である。

だけど大人になり、司馬遼太郎の本を読むようになると、歴史に大変興味を持つようになった。歴史人物一人一人に焦点を当て、個人のストーリーを追っていくだけで、圧倒的に面白くなる。そのストーリーが正しかろうと正しくなかろうと、そんなことはどちらでも良いのだ。まずは面白いと感じること。それだけで勉強=苦痛ではなくなる。

そもそも、人名や年号の羅列に面白さなんて見出せるわけがなかったんだ。司馬遼太郎でも池波正太郎でも何でもいいから学校の授業なんて聞かずに本や漫画を読んでおけばよかったと、今になって思う。そしてなぜ彼らの書く話はこんなに面白いのか。と考えると、やはり彼ら自身が圧倒的に変態的に歴史好きで、それが読者にも伝染するんだと思う。本書に出てくる識者たちも皆、変態である。

本書は、いろんな分野の識者たちに教科別に学びの本質を聞いていくという構成なのだが、全員に共通しているのは、受身にならずに、自ら学んでいく姿勢を大切にしているところである。そのためには自分で面白いものを見つけて、自分で掘り下げていくしかない。そう考えると、ひたすら強制的で、受身にならざるを得ない学校の教育に、果たして意味があるのだろうかとさえ思う。「学校には行かなければいけない」という常識も、親なら一度疑ってみるべきだろう。

結局、親にできることは、子供に興味開発を施して、何らかの対象に対する驚きと感動を体験する機会を与えること。そして好奇心に火をつけてあげる。いったん熱中してしまえば、子供はその分野についての知識をみずから掘り下げていくもの。一番大切なのは、くだらない常識を押しつけて子供の邪魔をしないことではないだろうか。

最後に、桜木先生は言う。
「過去の考えや古い一般論は捨てて下さい。どんどん捨てるクセをつけて下さい。子供を厳しく育てる教育法は戦前の遺物。現代社会ではただのゴミです。」