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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】SFの世界はもう間近『バグトリデザイン~事例で学ぶ「行為のデザイン」思考~』

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「使えない」「迷う」「面倒」「やり直し」このようにユーザーが感じたらそれはすべて「バグ」ユーザーが適切な判断ができなかったり、その行動を妨げたり、無駄な動きが必要なものには、改善する余地がある。

著者は、それぞれの改善点を見つけて、よりスムーズに滞りなく進行できるデザインを目指す。それが「バグトリデザイン」だ。

本書では、日常のあらゆるところに潜む「バグ」をテーマに、1.非効率 2.迷い 3.矛盾 4.負環 5.心理 6.誤認の6つのジャンルに分けてそれぞれのバグの定義とその具体例を示している。

本書評では、評者も実際に体験した「誤認のバグ」について紹介する。誤認のバグとは、「誤った認識がトラブルの誘因となるバグ」のことを言うそうだ。

世の中には、誤認をしやすいサインがあふれているが、その要因は例えば外国人で文字が読めなかったり、またお店や会社側がユーザー目線で考えていなかったために起きるバグだ。

その一例として挙げられているのが、外国でのトイレの男女別表示だ。それは、男性トイレが赤い表示、女性用トイレが黒い表示だったと言う。もちろんピクトグラムの表示もあるだろうが、それがあったとしても、人は形よりも色を先に情報として認識するため、それが誤認を引き起こしてしまう。

評者も海外へ行った際に似たような経験をしたことがある。たまたま、近くを通りかかったお店の人に確認をしたので、間違えることはなかったが、外国から来た人でお酒に酔っていたら当然起こりうることだろうと容易に推測できる。しかし、このようなことは、それぞれの顧客の行動を観察することにより回避できるバグだと著者は言う。

人々は、無意識にデザインに合わせて、疑いもせずに行動している。本書では、著者が実際に行った「バグトリ」を事例にユーザーが本当に求めているデザインについて解説している。