大阪はなんばの近く天王寺動物園から歩いたところにある。飛田。そこには159軒の料亭がある。最近G20のため休業するといったニュースも話題になった。そこでは訪れた客が皆恋愛関係になる不思議な街。
店の前には客引きのおばちゃんが「よってってー」と手招き、ライトに照らされたかわいいお姉さんが隣にはいる。中に通されるとお菓子や飲み物を飲み、定員と恋愛関係になり、、、20分で1.5万円を支払い、ペロペロキャンディをもらい帰宅するそれが飛田だ。
さて、そん飛田を著者は10年以上にわたり取材した。そしてその伝統をまとめ上げたのが本書だ。取材力が半端ない。ほんまにすごい。
まずは飛田に行っだことがある知り合いを探す。まぁゴロゴロ出てきはするものである。次に、10年ほど通うことになるのだが、飛田の近くの飲み屋で常連になる。12時を過ぎると嬢たちが飲みに来る。話を盗み聞きし、仲良くなり取材する。ある時は飛田を仕切っている料理協会へ、不動産へ、そして暴力団にも、そしてなぜ捕まらないのか、警察に直接取材に、最終的には料亭の面接まで受ける。あ、ちなみに著者は女性だ。なお、求人はスポーツ紙に普通に載っていた。
本書を読めば飛田についてわかり、飛田で働く人がどんな人か、その歴史がわかる。本書は評者が最近読んだ本の中でも格別に面白かった。その取材力とその歴史無いように驚かされまくった。ぜひぜひ読んで欲しい一冊だ。
- 作者: 井上理津子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: 文庫
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