「えー、獺祭ないの??」。今では酒にそんなに詳しくない若者ですら居酒屋でこの言葉を発する。山口県の小さな酒造での獺祭の誕生から今に至るまでのノンフィクション物語が本書である。
本書の著者は先日お亡くなりになった勝谷誠彦氏である。日本中の蔵をまわって書いた本なども色々出ており日本酒に詳しいことでも有名であった。一方でアル中から身体を壊し若くして亡くなった。非常に残念で止まない。彼の書く文章がとても好きだった。
さて、本書では獺祭誕生、酒造りの哲学、ビジネスとしてのやり方など、獺祭の全てが勝谷誠彦氏によって書かれている。獺祭が売れる前から詳しく知っている勝谷誠彦氏により客観的に書かれているため今後こんな本は出ることはないだろう。酒にかかわらず経営者などは一読すべきではなかろうか。
酒の発展はテクノロジーとグローバル化の流れがピタッとはまって起こったことがよくわかる。これまでは各蔵で経験で作られたものがデータを蔵人化ならぬクラウド化し、蔵同士で共有した、また英語が話せる若者が蔵で働く時代も丁度きたのだ。
酒をとにかく愛した勝谷誠彦氏の愛溢れる酒の本是非多くの人に読んでみてほしい。
- 作者: 勝谷誠彦
- 出版社/メーカー: 西日本出版社
- 発売日: 2014/10/01
- メディア: 単行本
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