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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】  もう「組織が悪い」という言い訳は許さない 『マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド』

 

USJを瀕死の状態から救った、スーパーマーケッター森岡 毅。
彼が去った今もUSJは快進撃を続けている。それは「持続可能なマーケティング力の構築」に成功したからだと言う。

いわゆるマーケティング本は抽象的な概念の羅列で終わっていることが多いが、この本は違う。著者は現在も現場で指揮をとっている森岡氏だ。全ての抽象化された概念は彼自らが額に汗し、苦しみぬいて得られた具体的な体験から生み出されている。

本書は3部構成になっている。
第1部では組織が自発的に活発に動く方法が書かれている。リーダ論からはじまり人間の本質にまで踏み込んだ内容だ。
第2部は個人が組織を動かすにはどうすればいいのか、細かく、順序立てて書かれてある。個人事業主であってもお客様は大企業であることも多い。個人が組織を動かすために必要なスキルが書かれてある。
第3部に各界からの成功者との対談を掲載されている。
どなたも成功し続けている超一流である。森岡氏が対談という形をとって重要な言葉を引き出している。森岡氏の分析も秀逸である。

この本を読むまでは正直言って書評を書くつもりはなかった。だが、読み終えた今は少しでも多くの人に読んでもらいたいという気持ちが湧き上がってきた。
若手のビジネスパーソンには読んでほしいと思う。年功序列も終身雇用もなくなりつつある日本社会にあって、個人と組織との関係性を考える上で指標になると思う。
森岡氏自身は熱血(幾分暴走気味だが)で組織に体当りしたようだが、普通の人はそこまでできないだろう、本書を読むことで森岡氏の失敗とそこからの学びが得られることは大きい。

日本の企業はまだまだプロダクトアウトの思想で動いている。いまだに良い製品を作れば勝手に売れると信奉している。それではダメだということは失われた30年を見ても明らかだ。全ての企業はマーケットインにシフトしなければならないが、すぐに転換させることはできないだろう。企業が巨大であればなおさらだ。だが、諦めてはいけない。個人個人がマーケッターとなり企業を覚醒させてほしい。本書はそのための強力な武器になるに違いない。