小さな状況の変化を見逃せば、大きな遅れを取ることにつながる。そんな時代を私たちは生きています。「チェンジ・リーダー」とは、その日々の小さな変化に気づき、広い視野で先を見越して次の一手を素早く判断し、自分一人ではなく、周囲を巻き込みながら道を切り開いていくマインドと技術を持った人です。
そう著者は言う。そしてこれからの時代では、経営者や管理職は勿論のこと、一般社員として働く人々にもそのマインドが必要で、関わるプレイヤーが「全員参加」する視座がなければ、時代の変化に反応し、スキルや役割を変えていく組織は作れないとも説く。
うーん、なんとも大変な時代になったものだ。
しかしまぁ、コロナ禍だって、予想可能だった出来事では決してない。その渦中に於いて、破綻し、気の毒だが市場から退場した企業もあれば、大怪我は免れたか、上手いこと業態に変化をもたらして急場を凌いだ組織もあろう。出来得るのであれば、そりゃ後者であることを望むのは当然だ。
如何にして変化に耐え得る組織体を作るか。その為の学びがあるのであれば有難い。それを念頭に本書を読み進めるとしよう。
本書では、世の中はどう変わったのか、からまず始まり、では会社は、リーダーは、会社員は、スキル・働き方はこれからどう変わるのかについて、昨今のビジネス環境の状況を例示しながら、順を追って解説を進める。
キーワードは「多様性」と「全員参加」。そしてそこから生むべきは共感だ。
組織内部との共感、外部環境やお客との共感。
共感無くして、現代のビジネスや、社会との関係性を成り立たせることは叶わないからだ。
さて、従来に比べて変化が激しい現代を、またこれからの世の中を、リーダー、非リーダーの区別なく我々はどうやって生きていくべきか?
その問いへの、著者からの答えはこうだ。
自分らしく生きる、自分らしく働くことを忘れないこと。
変化を楽しみながら。
CHANGE LEADER 「多様性」と「全員参加」を実現させるリーダーシップの身につけ方
作者:中村 基樹、西村 聖司、河上 祐毅
発売日:2021年11月1日
メディア:単行本