原作の『闇金ウシジマくん』の魅力として、緻密な取材によるリアリティがあげられている。もちろんそれ以外にもこの原作が読者を引きつける理由はたくさんある。
まず、お金の貸し借りという行為、しかも闇金という違法金利でやり取りをすることで、「みんな本音が出てしまう。自分の卑怯な部分も、全部さらけ出さなきゃならなくなる。」と原作者の真鍋氏は語っている。
確かに金の貸し借りは褒められた行為ではないのは確かである。しかしこうした極限の心理状態でないと、個々の人間の本性が現れないということも言える。
そうした人間にまつわる愚かな振る舞いを、原作を通して目にしたとき、読者は様々な思いを持つだろう。「ああ、この行動は共感できる。」「こんな人間にはなりたくないな。」そうした感情を持つのは、個人差はあるが、誰もがだらしなく下品な欲望を持っているからだ。
このように『闇金ウシジマくん』は、社会情勢と人間の心を生々しく映し出しており、そこが読者を共感させているのではないだろうか。
- 作者: 新宿ラビット研究会
- 出版社/メーカー: マイウェイ出版
- 発売日: 2014/05/28
- メディア: ムック
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