本書はアニメプロデューサーの石井朋彦氏が師であるスタジオジブリの鈴木敏夫氏にたたき込まれた仕事術が書かれています。
世の中には2種類の人間がいて、一方は人生に夢と目標を持ち、そこへ向かって突き進もうとするタイプ、もう一方は特に目標は持たないが、目の前のことは一つ一つやるタイプ。
鈴木敏夫氏は後者であると著者に言っていました。
“必要とされるならやってみる”、“頼まれたからやる”、“そういう状況になったからやる”
鈴木敏夫氏や高畑勲氏も実はこのタイプであり、このタイプのクリエイターの方が素晴らしい仕事をしている方が多いと著者は言います。そして著者は「日本でもっともすごい仕事をしている人たちが自分へのこだわりを捨てているのだから、この方法以外はない」と思うようになります。
他人はあなたが知らない、あなたの得意技や良いところを知っており、それを頼りにして仕事を依頼します。他人から頼られることが多いところがあなたの良いところです。
そして、その得意技で人の役に立てれば良いのです。自分の良いところは自分で探すよりも他人に探してもらう方がきっと正確です。
“人は、自分のために他者を必要とするし、他者に必要とされる自分が自分なんだよ。”
「自分はこんなことをしていても……」、「自分にはもっと適した……」と、現代に流行っている「終わりのない自問自答症候群」に陥る必要はありません。自問自答先の“私”の中にはどうせ「悩み、不安」しか用意されていません。
最後に鈴木敏夫氏の一言を贈ります。“自分のことばかり考えている人が、鬱になるんだよ”
自分を捨てる仕事術-鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド-
- 作者: 石井朋彦
- 出版社/メーカー: WAVE出版
- 発売日: 2016/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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