HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】忘れることは永遠の死である、死んでも生きる者達『死にゆく者からの言葉』

 

 死にゆく者からの最後のメッセージ。それは人生最後の仕事であった。言葉だったり、手紙だったり、行動だったり、感情だったり。体の中に収まっていたものを解放した瞬間、1番生きていると感じていたかもしれない。次の時代に何か爪痕を残すかのように。

 著者である鈴木氏が実際に経験した看取りの方々とのストーリー。20代までに経験した悩みや失敗、それがその後の人生を左右し、墓場の手前まで持って来させる。一人一人の人生の凝縮されたものを鈴木氏は受け止め、そして寄り添う。死が近い者達の心を開く事が出来たのは鈴木氏の人間性に惹かれたからであろうか、はたまた違う何かであろうか。それは鈴木氏が臨死体験をした事で何か特別なものを与えられたのかもしれない。

 私自身も高齢者の訪問マッサージをしており、鈴木氏の話には親近感を覚える。マッサージを楽しみにしている方は結構多く、生きていて良かったと思ってもらえれば冥利に尽きる。手から感情は伝わると言うが、高齢者は特にその感覚が鋭いように感じるのは気のせいだろうか。