本書ではトヨタのNo.1メカニックとして活躍していた著者が、現場で常に叩き込まれていた「真の5S」について書かれている。
また「5S」の真髄がわかりやすいように「呉越書店四ツ谷本店」という売り上げが乏しい架空の書店を舞台に、竹刀を携帯した口の悪い、"史上最恐"コンサルタント「エリカ」が書店員達へ「トヨタ流、真の5S」を"キツく"指導する、痛快ストーリーだ。
「5S」とは、
・整理・整頓・清掃・清潔・躾
これら5つの頭文字をとったものだ。「5S」と聞けば「そんなの知っている」という声が聞こえてきそうだが、著者は「ビジネスの基本は5S」あらゆる日本企業の生産性が低いのは、5Sを理解していないからだという。また、聞いたことはあったとしても、きちんと理解したうえで、実行できているのかというところが肝心だ。
決められた仕事をやってはいるが、
・無駄な作業が多い
・仕事に集中できない
・探し物が多い
・身のまわりが散らかっている
・上司が頼りない
このようなことは、業種、職種を問わず、どのような職場でも起こりやすいことだ。これらを解決し、生産性を向上させるのに必要なのが、正にこの「5S」なのだ。
また、ある程度の期間、行ってみるというのは、それほど難しいことではない。すでに実践経験のある企業も少なくないだろう。しかし、それをいかに「維持していくか」ということが、一番の課題なのだ。
仕事は「やらなければならない」と考えるとなかなか続かない。そこで行うのが、仕事を分解するということだ。するとそれぞれの仕事は「10秒でできる」集合体になるという。
さらに、従業員は雇われている身分とはいえ、誰もが真面目に取り組むとは限らない。長い間には、必ずサボる人も出てくる。そんな人への対処法も教えてくれている。
また、各章の終わりには「エリカの5S解説」があり、それぞれのポイントがまとめられているため、理解しやすい。
さらにエピローグでは「エリカ」のいつもとは違った一面が垣間見れ、強さの秘密が解き明かされた。
本書は、サブタイトルにも書かれているように「2時間で読める」構成になっているため、忙しいビジネスマンにはうってつけの内容となっている。
トヨタ流「5S」 最強のルール ~生産性“劇的向上"ノウハウを2時間のストーリーで学ぶ~
- 作者: 原マサヒコ,ざしきわらし
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2018/03/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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