本書では、ディズニーランドが日本にやってくるまでの、様々なストーリーが書かれている。現在では、なくてはならない、エンタメの代表であるディズニーランドだが、当初の誘致計画では、可能性の低いかなり難しい状況だった。
なぜなら、ある日本企業による身勝手な行動から 、ウォルトディズニーは日本人に対して不信感を抱いていたという過去があったからだ。
そのような状況の中、どのようにして、誘致成功へと導いていったのだろうか。
それは、多くの関係者の努力や様々なおもてなしにより、実現されたものだ。中でも、プレゼンテーションの影響がとても大きかった。
日本人にとってプレゼンテーションとは欧米人と比べ子供の頃から学校で習うという経験もなく、馴染みのないものだ。しかし、ビジネスシーンではプレゼンテーションの機会というのは、多くある。もちろん経験がない、できないでは、通用しない場面がほとんどだろう。
しかし、そのような状況でもディズニーを納得させたのは、日本人、堀貞一郎氏による、日本語でのプレゼンテーションだった。 もちろんディズニーは日本語はわからないが、堀氏によるオーバーな身振りと迫力のある説明により、「 日本語を勉強しなくても 、ミスター堀の日本語はよくわかる」とディズニーに言わせた 。
良いプレゼンテーションとは言葉一つ一つの問題ではない。 堀氏のように、まずは会場の緊張した雰囲気をほぐし、プレゼンをする相手の心を掴むことから始まる。
さらに、興味深いと思ったことは、 子供の頃から何度も訪れたことのある東京ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」の主人役の声がなんと堀氏だったことだ。子供の頃、初めて経験したあの部屋は、真っ暗で雷が鳴り部屋がどんどん伸びていく恐ろしいものだったが、 この本を読み、次回訪れた際にはぜひ、堀氏の美声をあらためて確認したいと思った。
堀貞一郎氏自身も、多くの人に薦めていた本書は、ビジネスの手法が多く学べる一冊である。
新装版「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た日 (講談社+α文庫)
- 作者: 馬場康夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/08/21
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ディズニーランドが日本に来た! 「エンタメ」の夜明け (講談社+α文庫)
- 作者: 馬場康夫
- 出版社/メーカー: 講談社
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