HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

中島太一とは何者か?『VALU生存教本 〜無名の個人が生き残るために〜』

 

個人の価値が顕在化しやすくなってきている。お金は価値の一つに違いないが、近年相対的にその価値が下がってきているように感じる。時間や能力を始め、お金以外の価値が市民権を獲得し始めているのだ。本書は個人の持つ価値について、またその価値の創り方について触れている。

少なくとも私の知る限り、著者はVALUのサービスがローンチされるまでは無名の個人だった。言葉を選ばなければ「ただの人」だ、渋谷ですれ違っても間違いなく気にも留めないだろう。そんな彼の存在はVALUによって大きく変わった。いや、もともとあった価値がVALUによって周りに認識されたのだ。

なぜか、その理由を本書では「VALUとは人間の食べログである」と説明している。過去には個人経営の店には大きなハンディキャップがあった。どれほど美味しい料理を提供できようとも、必ずしも集客に繋がらなかったはずだ。大型チェーン店と比べれば資金力に大きな差があり、安易にマス広告に頼ることもできず、出店場所の立地も然りだ。それが今では飲食店情報のプラットフォームサイトが現れることで、大型チェーン店と小さな個人経営店の勢力図が変わった。本来備わっていた価値が、口コミという評価で広がったのだ。
それが今回VALUサービス上で、個人に対して同じことが起こった。サービスを介することで中島太一という個人の価値に周りが気づいたのだ。誤解してはいけないのが、サービスによって個人に価値が付与されたわけではなく、個人の持つ価値がサービスによって気づかれたのだ。

本書で取り上げているVALUは、個人が持つ価値が顕在化するきっかけの一つに過ぎない。今後さらに個が問われる時代になるだろう。ではそのような時代をどのように生きれば良いのだろうか、そう不安に思う方は著者本人に直接問うのも良いかもしれない。ただし気をつけてほしい、渋谷ですれ違うことはできない。なぜなら著者は暇つぶしにチェコに旅立ち、この書評を書いている現在、彼はスウェーデンにいるらしい。きっとすぐにまた違う国に飛び立つつもりだろう。著者は面白い人と思える人には積極的に会うらしい。あなたに価値があれば、そう遠くはない未来に著者に会うことになるだろう。

その日が来るまで、今はぜひ本書を読んで待っていてほしい。

 

 

VALU生存教本 〜無名の個人が生き残るために〜

VALU生存教本 〜無名の個人が生き残るために〜