読書というのは本を読んだからといって、すぐに知識となり、頭がよくなるというものではない。即効性を求めても意味がなく、自分なりの答えを考えて探すというところに、読書本来の醍醐味がある。
読書によって知識の引き出しの数を増やして、いざ知識が必要となったときにその引き出しから出すというのが本来の読書ではないかと著者は解く。
たまに自分もよくやる失敗があって、同じ本を間違って買ってしまうことがある。読み進めているうちに、「あれっ?この本、前にも読んだな」と気づく。すぐに本棚を探すと同じ本を持っていたということが何度もある。タイトルを覚えていなかったために、また買ってしまったり、出版社がタイトルや装丁を変えて同じ本をリニューアルしたり、文庫版のように小さく簡易化して廉価版で出していることがよくある。
特に多くの本を読んできた人は、先人たちから多くの知識や経験を得ることによって突破口を開く気づきや心の強さを高め、問題をあらゆる角度から眺め、あらゆる可能性を探る想像力といったものが人生の大きな力となるのではないかと思う。