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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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分かりやすい飲兵衛入門書『酒場図鑑-酒と肴をとことん楽しむために-』著者 小寺賢一(技術評論社、2016/10/3)

本書は「一人で居酒屋に入る勇気がないな」、「居酒屋ってまず何を頼めばいいの?」、「居酒屋にマナーとか礼儀ってあるの?」、「酒の種類って色々あってよくわからない」そんなあなたのための飲兵衛入門書である。

 

居酒屋でメニューを見てもどう頼めばいいか分からない。そんな人のために型を紹介しよう。何事も型が重要だ。

①居酒屋に入店したらまずビールを頼もう。すぐにお通しとともに運ばれてくる。

②ビールを飲みながらメニューを見よう。黒板のオススメメニューも重要だ。」初めはすぐに来る、「刺身」や「煮物」を頼もう。時間がかかる「焼き魚」、「焼き鳥」、「煮付け」なども先に頼んでおくといいだろう。

③「刺身」が来たらそれにあう日本酒(吟醸酒)などを頼むといい。季節、土地を感じながら楽しめるのが居酒屋の良いところだ。そして「刺身」を食べ終えた頃に、丁度焼き物が届くはずだ。合わせて酒の追加も忘れずに。

④あとはフリータイムだ。この流れを実行できればもうあなたは飲兵衛の仲間入りだ。

 

飲兵衛は常連店というものを持っている人も少なくない。仲間と飲める常連の店、一人で飲める準常連の店。常連になるにはマナーも必要だ。店員に気を使い忙しくない頃を見計らって注文を頼み、混んで来てた時はそっと席を譲ってあげよう。店員との会話も楽しもう。聞けばどの店にもメニューに載ってない酒や肴があることが多い。店員にオススメの店を教えてもらい、常連店を増やしていくことが飲兵衛上級者の道に繋がる。

ところで、そもそも居酒屋の始まりとはなんなのだろうか。それは酒屋の店先で酒を飲ませた「角打ち(かくうち)」の発展系だと言われている。酒屋で「居続けて酒を飲む」ことから居酒屋と呼ばれるようになった。そして酒場文化は戦後のトリスバーから、本格的な居酒屋文化は90年代からとなる。また、飲兵衛にもブームがあり、90年代は本格焼酎ブームだったのが、00年代にはハイボールが流行り、今はスパークリング日本酒が流行っている。居酒屋としては00年代に広がったチェーン居酒屋も合併して行き、今は立ち飲み、センベロ(千円でベロベロになれる店のこと!)ブームとなっている。飲兵衛達のブームは次にどこへいくのだろうか。

 

普段飲む酒は「カップ酒」、「缶ビール」。それもいいかもしれない。しかし、世界中にはたくさんの酒、珍味がある。一歩踏み出し、居酒屋にふらっと入り、カッコよく飲んでみてはどうだろうか。本書はそんな飲兵衛入門者へのへの分かりやすい指南書である。