数十年前に居酒屋で飲んだ日本酒は何か変な匂いがして飲むと気分が悪くなった記憶ばかり。それ以来、日本酒は敬遠するようになったが、最近は美味しいものが増えてきたと感じる。
そしてメニューにただ日本酒と書かれてるのではなく、銘柄で書いている店が多くなってきたし、数十年前に飲んだ日本酒は何だったのかと思うぐらい味わい深く美味しいものが多い。
最近は日本酒を飲む時には店員さんに好みの味を伝えて選んでもらってきた。しかし良く考えてみると米という同じ原料を使いながら個性豊かな日本酒が生まれるのはなぜなのだろうかと疑問に感じていた。
「米の種類が違うのでしょ」「米の削る割合が違うからだろ」、確かにそうなのであると思うが、では具体的に辛口でスッキリした味わいにするためにはどのように醸造するのか、なぜ昔の日本酒は不味かったのか、日々日本酒への疑問が膨らんできた時に出会ったのが本書である。
大吟醸、吟醸、本醸造って?生酛、山廃、無濾過って?生酒と原酒は何が違うのか?
なぜ昔の日本酒は不味かったの?など気になりながらも調べてこなかった日本酒の疑問に酒食ジャーナリストの筆者が答えてくれる。
会話形式で進めるので、日本酒初心者の方も自然と理解できる内容となっており、美味しい日本酒に出会いたい方は必読の一冊である。
この書評を書いていたら飲みたくなってきた。さぁ今晩はどの日本酒を飲もうか。
著者;山本 洋子
出版社:世界文化社
発売日:2018.3.3