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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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日常から学ぶお金の流れ『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』著者 山田真哉(光文社新書)

 今では書店のビジネスコーナーで必ずと言っていいほど目にする本書、2005年2月に初版を発行し2016年8月の発行分でなんと50刷目と、10年以上続くヒット作です。

 

タイトルになっている“さおだけ屋はなぜ潰れないのか?”というエピソードを含め、7つの具体的なエピソードを入り口に、会計学に触れる機会を読者に提供してくれます。
例えば、エピソードの一つにフランス料理店の話があります。
この店は繁華街ではなく、住宅街のマンションの1階に店舗を構えています。
住宅街にあるからといって決して大衆向けの価格設定にはしておらず、コース料理は1万円からと高級志向です。
どれだけ繁盛しているのかと著者がディナーの時間帯に覗いてみても、お客はほとんどいません。
それだけ聞くと出店場所と価格設定を間違えた明日にでも潰れそうな店ですが、開業以来何年も続いているそうです。
この店はどうやって利益を生み出しているのか、その秘密はランチとディナーの間の時間帯に隠されていました。

 

このフランス料理店のエピソードの結論は“連結経営”です。
なぜお客がいない高級フランス料理店が続くのか、興味を持っていただいた方はぜひ本書を手に取ってみてください。

 

お金がどれくらいあれば幸せなのかという議論はさて置いて、経済活動に身を置く以上、お金が生み出されるためのルールを知ることは有益です。
ビジネスマンはもちろん家計を預かる方、中高生など、お金に触れる全ての方に届けたい会計学の入門書です。