実写映画化でも話題になりました「四月は君の嘘」は月刊少年マガジンで連載されていた少年漫画です。
しかし、その繊細な心理描写と中学生の純粋な初恋を描いてることから「マガジンの少女漫画」とも呼ばれていました。
母の死をきっかけに自分の音だけ聴き取れなくなってしまった天才ピアニスト有馬公生が、無邪気で明るくて天真爛漫なバイオリニスト、宮園かをりと出会い、一歩前に踏み出し歩いていくストーリーとなっています。
この漫画が凄いのは、キャラの心理描写が本当に細かく、とても計算されて描かれていることです。
母のトラウマにより世界が色褪せて見えていた公正が、かをりと出会った瞬間その世界に色を取り戻す描写。
勿論漫画なので白黒なのですが、本当に彼の世界に色がついたかのように見えるのが不思議です。
また、かをりが公正に言う一言一言の台詞が本当に深く、全部伏線になっていたのかと最後にわかります。
そして読了後、もう一度読み返すと、かをりの台詞が全て最初に読んだ時と違った意味で受け取れるようになっており再度読み直すのも面白いです。
その計算された台詞とストーリーに感服すると共に、最後は切なさで泣いてしまいます。
何故泣いてしまうのかはネタバレなので言えませんが、運命を受け入れ前に進もうとする中学生の純粋な初恋を描いた傑作となっているので、生きてるうちに一度は読んでほしい作品です。
アニメも素晴らしいので余裕があればそちらも観ることをお勧めします。