HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】パクリではない、オマージュだ『珍夜特急1―インド・パキスタン―』

 

深夜特急』では無く『珍夜特急』、作者は沢木 耕太郎では無くクロサワ コウタロウ。決してパクリでは無いオマージュ的な作品。本家はバスであるがこちらはバイクでユーラシア大陸を横断するインド・パキスタン編。バイクなのでなぜ特急なのか分からないが。

"何か面白いことがしたい"それもでかいことと筆者が思った1996年の夏、"そうだ!バイクだ。バイクでこの大陸を横断しよう。これならだれもやったことがない"はずだと思い実際に行ってしまったほぼノンフィクションのお話し。

本家『深夜特急』をKindleで読もうと思ったら、間違って本作品をダウンロード。
そのままお蔵入りにする所だったが、暇つぶしに読むものがこれ以外に無かったので、仕方なく読む。文章は洗練されていない。でもその分、素人ならではの生々しい描写が続き、思わず一気読み。

旅の出発地はインドのコルカタ。なぜコルカタなのか?読むと「そうだったのか!」と合点は行くがどうでもいい。こんなくだらない事が本書には散りばめられているのも面白い。
コルカタでは自分のバイクがいつ受け取れるのか分からない、声をかけられた人にぼったくられ、気を付けてもぼったくられる様はバックパッカーあるあるで共感。トラブルだらけなのに、困った時に思いもしなかった善意に救われ、私の気持ちもほっこり。

パキスタンのラホールでは、宿泊先の主人に対して"もしやこの主人はホモではなかろうか"と思い、それが確信に変わった後の筆者の行動に笑いがこみ上げる。インド・パキスタンの旅を通じてだんだん逞しくなっていき続きが気になる。

本家よりライトな感じで、Kindle Unlimitedでも読めるので、暇つぶしにはもってこいの一冊かも。

 

 

【書評】世界に影響を与える人になる『死なないように稼ぐ。』

 

成功への唯一の近道は、地道に継続することだと著者は言う。実際に著者自身も、どんな状況下においてもやると決めたことを当たり前に継続させているそうだ。しかし、新しいものに飛びつく人は多いが、何事においても長続きせず、継続出来る人はなかなかいない。

評者も所属する堀江貴文イノベーション大学校(HIU)ではメンバーがどのように行動し活躍しているのか、本書を読むことにより明らかになる。また、先日はクラブハウスでも説明会が行われ、HIUメンバーからの情報により評者を含め多くのメンバーが一緒に聴いていた。

しかし、活躍しているメンバーが実体験を語っても、参加者からの質問は「私なんかが入会して大丈夫でしょうか?」「やりたいことがないんですけどいいのでしょうか?」といった類のものが多く、とてもたくさんの人がHIUに関心を示しているものの、入会を躊躇していることにとても驚いた。何事も自分で体験しなければその面白さは永遠に実感できない。迷っている場合ではないのだ。

著者が関わることで評者が今後楽しみにしていることは、すし屋をエンタメ化した「すしミュージカル」だ。これはHIUの定例トークイベントで初めて聞いたのだが、それが、現実化していくところを目の当たりにすることは面白い。

毎回ゲストが来るたびにその人の専門分野のアイディアが加わり、実現に向けた詰まった内容が聞けることはとても楽しみだ。特に評者はミュージカルがとても好きだが、日本のものは著者が主演、プロデュースし、HIUメンバーも参加する「クリスマスキャロル」以外は観ていないため、今後の「すしミュージカル」にも期待感が湧く。

このようにメンバーへ次々と面白いことを投げかけてくれる著者は、普段メンバーの前では割と真面目な面しか見せないが、合宿などみんなと長い時間を共有すると、えー?と思うユニークな一面を垣間見せる。いろんな発想を巡らせられる著者は、本当はかなり面白い人なのだと思う。 

人々が生きづらくなったと思われている現在。本書では、そのような状況においても柔軟に身をこなし、世の中の逆境に惑わされず、自分の人生を楽しく過ごす方法が書かれている。

 

 

【書評】現代の相対的な真理は、すでに我々が二千年以上前に通過しているっ!! 『史上最強の哲学入門』


本書では「絶対に真だと言える理想の何か」を追い求めた、哲学者達の戦いの歴史が解説されている。
真理の「真理」、国家の「真理」、神様の「真理」、存在の「真理」の全四ラウンドの激闘が観戦可能である。

評者一押しの哲学者はデカルトだ。
全てを疑い、最終的に疑う自分を疑った事で、疑う自分は確実に存在するという考えに至った。
疑う範囲をどんどん小さくしていき、点にまで研ぎ澄ました、正に求道者だ。

また、エピクロス派の「気持ちいいことをして、楽しく生きよう」という快楽主義が印象に残った。
快楽を貪るのではなく、日常に喜びを見つけようする思想は現代でも通用するはずだ。

著者は漫画『グラップラー刃牙』の大ファンだそうだ。
カバーにも板垣恵介氏による劉海王似のイラストが使用されている。

真理のために毒を飲む必要はないと懇願する弟子達に、ソクラテスはこう言ったかもしれない。
ワシを愚弄する気か!!

 

史上最強の哲学入門

史上最強の哲学入門

  • 作者:飲茶
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: Kindle
 

 

【書評】ソロメオの夢。正しい労働とは?『人間主義的経営』

 

著者のブルネロ・クチネリ氏は、高級カシミヤ製品メーカーの創業者である。
1978年に創業したブルネロ・クチネリ社は、現在は紳士服、婦人服、子供服から雑貨、アクセサリーなど総合的に展開する世界最高級のアパレル企業に成長しており、2012年にはミラノ証券取引所に上場、2019年の売上高は、日本円にして770億円、営業利益は105億円、財務内容も磐石という大企業となっている。
さそかし合理的な経営をしているのかと思えば、決してそうではない。

人件費の高いメイド・イン・イタリーにこだわり、全世界137店舗で販売されている製品は、手作業の職人技で作られている。
「人間の尊厳を守ること」を経営の目標に掲げ、ブルーカラーとホワイトカラーの区別なく世間の水準を上回る給与を支給する。
本社を置くイタリアの片田舎の小さな村であるソロメオ村の城、劇場、工場など、使われていなかった施設を復旧若しくは再利用する。
若者のために、有給で学べる職人学校を建てる。
図書館を作り、ぶどう畑を興し、公園や庭園を整備する。
およそ効率的とは言えない様な投資を行なっているこの会社が、どうして高収益を得ているのか。
贈与を続けることによって収益を上げる。それは狙って行なわれたことではない。
こんなに強く美しい会社が世の中に生まれたのは何故か。

本書は、幼少期から現在までを、著者の回顧録の形で綴られている。
それは牧歌的なほど古めかしい一面もあるし、人間がお互いに差別を捨て認め合うことの重要性を訴える様な、人としての根源を説く一面も見せる。
一見、会社経営とは無縁の様な内容が語られていくが、いずれその全てが、題名である『人間主義的経営』を花開かせていくのだ。

そして、著者を支えるのは古き哲人や賢者達の残した言葉の様だ。
私などは、『孫子の兵法』や古事、或いは松下幸之助などの経営者達の考え方などを辿ることで経営の戦術を学ぼうとするが、本書の著者はそうではなく、哲学を以って考え、判断し、人間のための資本主義を目標に掲げ行動したのだ。

人間主義的経営
作者:ブルネロ・クチネリ
発売日:2021年4月1日
メディア:単行本

 

 

【書評】がんでも、前向きに生きていける『がんになった人だけが知っている人生で大切なこと』


本書内では五人のがん経験者による、自らに対するがんの告知から術後までの経験と、気持ちの移り変わりが漫画で紹介されている。
術後もそれぞれが精力的に活動している。

どうして病に直面しながら、こんなにも強く生きていけるのだろう。
それはがんへの想いと経験を共有する、リレー・フォー・ライフの仲間であるからだ。

リレー・フォー・ライフではがん患者さんを支援する活動を行っている。
志しに賛同する参加者全員による、夜通し行われるリレーが最大のイベントだ。
24時間戦い続けるがん患者さんのために、想いを共有し支援する事が目的となっている。

この活動ではがん患者さんやがん経験者を、敬意を込めて「サバイバー」と呼んでいる。
また、それを支える周囲の方々も同様に敬意を込め「ケアギバー」と呼ばれている。

これは活動の使命である"Save Lives"に含まれる、「人の魂を救う」という考え方からだ。
「サバイバー」と「ケアギバー」と称賛、祝福する"Celebrate"(祝う)。
がんで亡くなった方を忍び、追悼し、今病の痛みや苦しみに向き合っている人を敬う"Remember"(忍ぶ)。
がんの予防や検診を啓発し、征圧のため寄付を募り、がんに負けない社会を作る"Fight Back"(立ち向かう)。
この3つが"Save Lives"の要素だ。

「サバイバー」、「ケアギバー」、そして、そうでない人にも是非読んでもらいたい本です。
がんをもっと知ろう。

 

がんになった人だけが知っている人生で大切なこと

がんになった人だけが知っている人生で大切なこと

  • 作者:坂下千瑞子
  • 発売日: 2021/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】自分次第で世の中は楽しいことで満ちあふれる『同調圧力なんかクソくらえ』

 

世の中の急激な変化が、本来の人間性を明らかにする。自分を見失い恐怖におののく人。それとは逆に確実がない状況においても、周りに流されずに自分を持ち、一見ピンチに思われるような状況でも、それを上手く乗り越えていく人。同じ状況を経験しても、どのような判断をするかは自分次第なのだ。

好きなこと、楽しいことをやるように心がけていると、不思議なことに嫌なことが起こらなくなってくる。かつてはイライラすることも、もちろんあったが、それは周りの人がもたらすものではなく、実は自分自身がそんな人だったのかもしれない。

しかし、自分自身が変わると同じような考えの人たちに自然と囲まれるようになり、あちこちからご機嫌な笑い声が絶えず、明るい雰囲気に包まれる。そうすると、自然と自分からも笑みが溢れ、それは、結果としてイライラする状況が起こらなくなる。

一見、なんでこんなことが起こるのだと驚き慄いていると、実はその先にはワクワクする楽しいことが待っていて、新しい扉を開くきっかけとなったりする。自分の世界に起こることは、全て自分次第。自分以外には何もなく、自分がどうあるかによって世界は変わる。自分が特別何かをしなくても世の中は自然と動いていく。解けない課題があっても、自然とヒントがもたらされたり、協力者が現れたりと不思議なものなのだ。

また、人は誰しも自分に足りない、満たされないと思っていることをついつい口に出してしまう。それは、そこに執着があるからなのだろうが、それを表に出せば出すほど、ますますそれは遠ざかり、良かれと思ってやっていることが実は逆効果になっていることはよくあることだ。

評者はここ最近、興味を持っていたことが実現できた。世の中の同調圧力が増したことが逆に良いチャンスになった。しかし、こういう自己実現が早くできるようになったきっかけは、著者が主宰する堀江貴文イノベーション大学校(HIU)に所属し、ビジネスに関するあらゆる話を定期的に聞くようになったからだと思う。様々な業界で活躍する人の話を聞くことにより、ビジネスというものがより身近に感じられるようになったのだ。

本書では、世の中の変化に振り回され、本来の自分自身を見失ってしまっている人が、知らず知らずのうちに陥ってしまう状況など具体例をあげて丁寧にわかりやすく書かれている。自分自身を振り返り、本書に書かれていることと照らし合わせてみると、より今の自分の現状が明らかになり、解決策が見つかるだろう。 

 

同調圧力なんかクソくらえ (宝島社新書)

同調圧力なんかクソくらえ (宝島社新書)

  • 作者:堀江 貴文
  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: 新書
 

 

【書評】秘密の扉の先を知りたければ、これを読め!『SALON DESIGN vol.9』

 

HIU公式ガイド『SALON DESIGN』(通称:サロン本)の最新号が発売された!今号の掲載内容はMASHI NO MASHI TOKYO、全身運動、Unlimited、Black Lives Matter、NERF、ゼロ高、HIU会員、オプション取引など多岐に渡る。

パラパラとページをめくると、黒を背景に2人の女性が写るUnlimitedの記事が目に止まる。完全会員制。公式サイトでは知ることができない、秘密の扉の先の様子が記されている!

ゼロ高生の卒業先も知ることができる。ゼロ高本と言えば『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(通称:ゆめ叶)が思い浮かぶ。しかし、卒業生について書かれたのは本書が初!進路に悩む親御さんは、ゆめ叶と併せて必読である。

今号では写真のクオリティーが圧倒的に高まった!料理のシズル感、人物のポージングなどどれも目を引く!その写真を使い、ゼロ高生が描いたMASHI NO MASHI TOKYOの表紙は臨場感が溢れ出ている!

本誌は雑誌の編集に興味のあるHIUメンバーが制作した。そして、なにを隠そうUnlimitedの構成・文を手がけたのは評者だ!撮影、DTP・校正、モデルはHIUメンバーに協力してもらった。大切な一冊である。

horiemon.thebase.in


【書評】がんの告知後も、人生は続く『がんになった人だけが知っている人生で大切なこと』

 

日本人の死因第1位「がん」。本書は、がんサバイバー6人のドキュメンタリーコミックである。「がん = 即死」ではない。がんの告知後も、人生は続く。治療や再発による不安や苦しみが描かれる。

本書は世界最大級のがん征圧活動であるRelay For Life(略称RFL)参加者の体験談で構成される。医学の進歩によって、現在がんは治らない病気ではなくなりつつある。しかし退院後社会に馴染めず、うつ病を患うケースも見受けられる。本書の作成などを通じて、RFLは社会的健康に寄与している。

がんを乗り越えてきた6人とは別に1ページだけ、がんを克服した女性が登場する。彼女はがん克服後、突然の交通事故で亡くなってしまう。がんじゃなくても、いつ何が起きるかは分からない。

6つのストーリーのうち1つは子宮頸がん患者による体験談である。子宮頸がんは、年間1万人がかかり3000人弱が亡くなっている。厚労省には、HPVワクチンの積極的勧奨再開とキャッチアップ接種への助成が求められる。

簡易検査やワクチン接種で、むだ死にを防ぐ。体に違和感を覚えたら、病院に行く。「病院に行って何もなければそれでいい!」医療従事者の友人に言われた言葉だ。

 

がんになった人だけが知っている人生で大切なこと

がんになった人だけが知っている人生で大切なこと

  • 作者:坂下千瑞子
  • 発売日: 2021/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】「見る」から、「視る」へ『広告がなくなる日』

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SNSを利用した広告戦略はもはや常識となっている。
本書では現代における広告の存在理由と、社会的価値について、筆者の見解が「構成」されている。

そう、正に「構成」されている。
事例を挙げての主張や分析は非常に的確だが、一般的な「本」とは明らかに違う。

この本自体が広告のこれからを提唱する「広告」なのだ。
広告を知るために広告を読む。なんとも新しい。

広告は受動的なものから、共有するものへ変わり始めている。
そうすることで多角的に視る事ができ、対象の価値がより認知されていく。

この本(という名の新しい媒体)を是非手元に置いて頂きたい。
そして買い求めるまでの過程も含めて、皆で共有しよう。

 

広告がなくなる日

広告がなくなる日

  • 作者:牧野 圭太
  • 発売日: 2021/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】すぐ使えます。仕事でも、プライベートでも『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術』

 


もっと相手との関係を深めたい。相手も自分も満足な関係にしたい。
本書ではお互いの信頼を前提とした、対人関係を良い方向へと導くコミュケーションのとり方が紹介されている。

少し話し方を変えるだけで印象はがらっと変わる。
同じ会話内容でも、相手の同意を得やすくなる方法が根拠と共に紹介されているので説得力があった。

更に話と同時に体の使えば効果が上がるそうだ。
どう動けば話が記憶に残りやすいか、良い意見に聞こえるか、仕草や動きでこちらも大きく変わる。

これらの方法は著者が1000冊以上の心理学の本,論文を元にまとめたものだ。
確固たる地盤から凝縮された内容であるため、とても実践的である。

本書は目的毎に3ページ前後でまとめられているので、必要な部分だけ読むのもおすすめできる。
明日、参考にしたい部分だけを寝る前と起きた後に読むのも効果的だ。