HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】「QSC + Vで、正々堂々と競合に勝つ。『デキるビジネスマンの掟』

f:id:SyohyouBlog:20201018190008j:plain

「QSC + Vとは「クオリティ、サービス、クリーンネス + バリュー」のことで、上に書いた言葉はマクドナルド創業者であるレイ・クロック氏のものだそうだ。
著者の香坂伸治氏は、日本マクドナルドの本部管理職を歴任した後、米国マクドナルド本社に異動して活躍した人物である。
日本マクドナルドを退職後には、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。「クリスピー・クリーム・ドーナツ」を日本に持ってきた男なのである。
そして現在は、ブランド品の買い取りを行なう株式会社銀蔵の代表取締役社長を務めている。
で、何故だか私の古くからの飲み仲間でもある。

本書では、マクドナルド時代からの体験、経験や、教えを基にしたマーケティングに関する書物である。
既成概念を打破してこそ、デキるビジネスマンになれる、と言い、売り場に於ける様々な指標を示す。
お客様が買いたい価格の商品を、きちんと売り場に置くこと。
ロスリーダー(集客を目的として、採算を度外視して極めて価格が安く設定された商品)と、スター商品を用意すること。
ファン プレイス トウ ゴー。つまり、そこに行けば楽しいことがあると思わせる場所作りをすること。

そして、女性で賑わう店には男性がついてくると言い、女性に受け入れられることを重視している。
女性は、同じ値段、サービス、品質であれば、社会的貢献などの何か他の価値や理由のある商品、会社、店舗を選ぶ。
女性は口コミで買ってくれる。良い口コミを生み出すには、より高い満足を考えることで、買いたくなる理由、意味、価値を創造し、具体的な形にしてゆくことである。

大事なことは、「ノウイング ドゥーイング ギャップ」。知っていることと、やっていることのギャップである。
分かっているけどできない。これをいかに無くしてゆくか。
考えるだけ、言葉にしているだけではダメなのだ。

 

デキるビジネスマンの掟

デキるビジネスマンの掟

  • 作者:香坂 伸治
  • 発売日: 2012/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

【書評】最低限言いたい事を10分で。まずはそこからでOK!『絶対失敗しない! ササるプレゼン ― 成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】』

f:id:SyohyouBlog:20201017215925j:plain

生活をする上で、人に何かを説明する,提案する,紹介するなどの場面は少なからずあると思う。
しかし相手側に興味を持ってもらい、納得して受け入れてもらうのはなかなか難しい。

プレゼンをする上で、相手と自分は全く違う価値観を持っていると理解することが必要だと著者は言う。
相手側にとって興味のない話はそもそも響いてこない。

興味を持ってもらうには、自分にも関係があると思ってもらう事が重要だ。
そのために、伝えたい相手の立場に立ってしっかりとした準備が必要となる。

本書ではそのプレゼンの構成の仕方が紹介されている。
評者もこれを参考に、プレゼンの成立基準を満たせるよう努力している。

相手側に満足してもらうには、他にも見た目,口調,人格等の要因もあるそうだ。
本書と共に、一緒にササるプレゼンを目指してみませんか?

 

 

【書評】最低限言いたい事を10分で。まずはそこからでOK!『絶対失敗しない! ササるプレゼン ― 成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】』

f:id:SyohyouBlog:20201017215925j:plain

生活をする上で、人に何かを説明する,提案する,紹介するなどの場面は少なからずあると思う。
しかし相手側に興味を持ってもらい、納得して受け入れてもらうのはなかなか難しい。

プレゼンをする上で、相手と自分は全く違う価値観を持っていると理解することが必要だと著者は言う。
相手側にとって興味のない話はそもそも響いてこない。

興味を持ってもらうには、自分にも関係があると思ってもらう事が重要だ。
そのために、伝えたい相手の立場に立ってしっかりとした準備が必要となる。

本書ではそのプレゼンの構成の仕方が紹介されている。
評者もこれを参考に、プレゼンの成立基準を満たせるよう努力している。

相手側に満足してもらうには、他にも見た目,口調,人格等の要因もあるそうだ。
本書と共に、一緒にササるプレゼンを目指してみませんか?

 

 

【書評】シリーズ第5弾!遂に日本版が登場『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365~伝統・文化 芸妓(舞妓)、幇間~』

f:id:SyohyouBlog:20201016214057j:plain
本作は、遂にシリーズ第5弾、テーマは日本。日本版を読みたいという多くの声により誕生したそうだ。日本を知るための365の知識がまとめられている。

今回は、伝統・文化の芸妓(舞妓)、幇間についてとりあげる。芸妓とは、「唄や踊りなどの芸で、宴会の席に楽しさを添える仕事をする女性のことである」関東では芸者と呼ばれ、舞妓はその見習いである。また、男芸者は幇間(太鼓持ち)とも呼ばれる。

もともと水茶屋で料理やお酒を運んでいた人たちが歌舞伎芝居を真似て、踊りを披露するようになったところから始まったそうだ。

評者は、芸妓の経験はないが、太秦映画村で芸妓に扮したことがある。撮影所ということもあり、着物やかつらはもちろんのこと、顔や首、背中、手など出ているところはすべて白塗り、男性でも女形を演じるぐらいだがら、正直、鏡で自分を見ても誰だかわからないほどの出来ばえだ。

そのため、セットの中を歩いているだけで、あっという間に人だかりになった。当時は外国人観光客はいなく、日本人だけにも関わらず「写真撮ってください」がすごい。

いくら「私は違います」と言ったところで、その格好。誰も人の話は聞いていない。たったの数時間ではあったが、完全に映画村スタッフだと思われ、まったく自分が楽しめる状況ではなかった。

そこで感じたことは、評者は、着替えてメイクを落とせば、現実に戻れる。しかし、世の中に顔が知られた著名人は、四六時中、常に好奇の目にさらされ、一生そこから逃れられない。

もちろん良いこともあると思うが、これはかなりの苦痛であり、ストレスにもなる。有名でも無名でも同じ人。嫌だと思うことは、誰でも同じなのだ。

本作では、他にも364の日本に関する教養が学べる。日本人なら当然すべて知っておくべき教養である。

 

 

【書評】成功は運によるものだが、失敗は自分のせいだ。『松下幸之助 生き抜く力 仕事と人生の成功哲学を学ぶ』

f:id:SyohyouBlog:20201015213255j:plain

ファンもつくれないような商売人は、私はあかんと思います。自分の主張すべきことは主張し、正しい姿というものがビシッと先方に入れば、先方がファンになるんです。「なかなか話せる商売人、話せる店やなぁ。わしはお前のところで買うてやるで」とこうなる。これは離れません。

経営の神様 松下幸之助は、お得意先と対立しつつ調和するのだ、と言う。
物と併せて心をつくり、物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく。喜び喜ばれる姿の中に真のサービスがある、と。
そして、経営者、責任者としての心得についてはなかなか手厳しい。

経営者である以上は、常に要望者であらねばなりません。その要望の弱いところでは人も育ちません。しかし、非常にそれが適切で強いものだと、人が育ってくる。そしてその要望を達成する働きをしてくれる。すると、それをお得意先も喜んでくださる。会社自体も発展するし、部下の社員も育成されるということで、たいへんに順調にいくわけです。

マネージャーとして陥ってはならないのは、成果が出ない人たちに「負け組」というレッテルを貼ること、まして役に立たない人材という見方をすることである。
短所は苦にしない。長所だけ、特色だけを見て使う。

無論、題名に冠しているだけあり、本書では、成功に関しての述懐も多く記されている。

事業は人にあり。人間として成長しない人をもつ事業は成功するものではない。

60%の見通しと確信ができたならば、その判断はおおむね妥当と見るべきである。そのあとは勇気である。実行力である。

成功とは成功するまで続けること。志しを失わず、地道な努力を続けること。
いくら一所懸命でも、道にはずれた、自然の理に反するような方向への努力を続けていたのでは成果はあがらない。しかし、道にかなったことであるかぎりは、ひとたび志を立てた以上、最後の最後まであきらめない。

関わるすべての人たちが皆ハッピーになる様な仕事を、私も心掛けていきたいものだ、と思わされた。

 

松下幸之助 生き抜く力 (PHP文庫)

松下幸之助 生き抜く力 (PHP文庫)

  • 発売日: 2017/05/02
  • メディア: 文庫
 

 

【書評】東大卒→マッキンゼー経由→お笑い芸人『キャリアを手放す勇気』

f:id:SyohyouBlog:20201014215308j:plain
キャリアを手放すこと。 著者の石井てる美さんがもっていたキャリアとは東大卒、マッキンゼー入社など捨てるに捨て難いものです。そしてその経歴の次が『お笑い芸人』ですので、ジェットスターではなく『タワーオブテラー』並みの急降下ではないでしょうか。 完璧なキャリアを歩まれていると社会一般的な「良い」の評価を得られますが、更に怖いのは自分の中の「良い」という基準を満たさなくても「悪くない人生」を送ることができることです。 自分の「良い」よりも社会の「良い」という基準で生きる方があまりにも“オイシイ”のが日本の社会の仕組みです。そのことに嘘はありません。 東大卒、マッキンゼーという最高峰の集団に所属しその集団の影響下にいることは自分の「良い」を突き詰めることを許しませんでした。その集団のレールから外れることの恐怖心の方が勝るのが当然です。 しかし、ステータスを満たされても心が満たされないことに気付いた著者は一歩進みます。 私はその勇気を皆様に読んでほしいのではなく、その選択に至るまでの嘘偽りのない著者の葛藤です。その葛藤を選択までのストーリーにこの本の価値があると思います。その選択が正しいとか正しくない、効率、生産性、メリデメなどを省いても読む価値があります。 人の心は本当に不合理で社会画一的なカタチではないことを実感します。 著者が手放したものの大きさを考えてもそう思わずにはいられません。

 

 

【書評】もっと早く知りたかった…地方在住のお金のリアル『コロナ移住のすすめ』

f:id:SyohyouBlog:20201013215349j:plain

『地方在住とは定年後の夢ではなく現役世代ですでに始まっている』

コロナに伴いテレワークを経験する人が増えたことにより、多くの人が既存の働き方を見つめ直したのではないかと思う。
出社しなくても仕事はできる。満員電車に乗る必要もない。
この気づきはビジネスマンにとって働き方を変えるに十分な原体験となったのではないかと思われる。

出社しなくても問題ないならカフェで仕事でもしようか。とも思うが本書はいっそのこと地方在住もありですよと伝える。
本書の良いところは地方在住のリアルが書かれているところである。
地方での人間関係、教育、移住方法、必要なお金などの項目にてメリット、デメリットが書かれており、闇雲に地方在住をすすめているわけではない。

それに加え20人の地方移住者の体験談もかかれており、移住時のイメージを繊細に描きやすくなっている。

もし地方移住を考えているなら本書に目を通すことをおすすめする。

 

コロナ移住のすすめ ~2020年代の人生設計

コロナ移住のすすめ ~2020年代の人生設計

  • 作者:藻谷 ゆかり
  • 発売日: 2020/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】人生は選択の連続であり、大切なのは何をしたかではなく、それをどう受け取るか『君の膵臓をたべたい』

f:id:SyohyouBlog:20201012214301j:plain



「残り少ない私の人生の手助けをさせてあげてもいいよ」
内向的で、自分の世界に閉じこもりがちな「僕」と、僕とは正反対の性格の、いつもクラスの中心で笑っている「君」。今までも、これからも、きっと関わることのないはずだった二人は、ある日彼女が落とした日記帳を僕が拾ったことをきっかけに、関係を深めていく。

クラスメイトである山内桜良の日記帳を見てしまい、僕が知った真実。それは、彼女は膵臓の病気で、もうすぐ死んでしまうということだった。それから僕は、ただのクラスメイトではなく、彼女の病気を身内以外で唯一知る人物となる。

そして僕は彼女に強引に振り回されるかたちで、行動を共にするようになる。

桜良との関係を通して、僕の見える世界が少しずつ変化していくところが、本書の見所である。彼女との仲が深まるにつれて、自分の中にばかり向いていた目線が、どんどん外へと広がり、世界が色を成していく。

人に興味を持てなかった僕が、彼女と出会ったことではじめて人と繋がることの喜びを味わえるようになる。勿論、内に目を向けることは悪いことではないのだけれど、人は人によって変われるということを、本書は教えてくれる。そして人によって変わることを選んだのは、僕自身であるということも。

作中で、僕のふとした発言が、評者の心に残った。
”言葉は往々にして、発信した方ではなく、受信した方の感受性に意味の全てがゆだねられている。”という言葉。言葉にしても行動にしても、それをどう発信したか、何をしたのかよりも、それによってどう感じたのかを大切にしたいと、評者も常日頃から思っている。

僕が桜良に、「死ぬまでにやりたいこととかないの?」と聞く場面がある。
それに桜良は、「1日の価値は全部一緒なんだから、何をしたのかの差なんかで私の今日の価値は変わらない。私は今日、楽しかったよ。」と答える。

周りからの厖大な情報に流されて、何かしないと!と焦りばかりが募る。そして自分がどう感じたかはおろそかにしてしまうということは、日常では結構ある。だけどそのように過ごしていると、どんどん自分が空虚になっていく実感がある。「何をした」ではなく、「私は今日楽しかった」と桜良のように胸を張って言える毎日を過ごしたいと、強く感じる。

そして二人の関係は、結局最後まで、恋人なのか、親友なのか、わからないままである。だけどどちらにしても、非常に魅力的な関係と言える。相手のことを勝手に想像して、何でも自己完結してしまう僕と、自分の思いをそのまま素直に口に出す桜良。

正反対の性格の二人だからこそ、誰よりも相手のことをよく分かっている。お互いの欠点を補い合いながら、尊重しあえる関係。お互いに相手に憧れを持ち、相手を必要としている。とても理想的な関係である。衝撃的なタイトルはもしかしたら、この二人の関係性を表しているのかもしれない。恋人でも友だちでもない、二人だけの関係を。

本書は、映画化されたこととか、大ヒットした、ということは抜きにして、是非フラットな気持ちで、できれば高校生に戻ったような、素直な気持ちになって読んでみてほしい。重い部分はあるけれど、表紙のイメージそのままの、爽やかな読後感を味わえる作品である。

 

 

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

  • 作者:住野 よる
  • 発売日: 2017/04/27
  • メディア: 文庫
 

 

【書評】校長の話がこんなに面白いなんて『男の子のやる気を引き出す朝のことば』

f:id:SyohyouBlog:20201011213708j:plain

数々の著名人を輩出した清風学園。その校長先生の話を集めた1冊になります。心の持ち方や物事の考え方など、青春時代を送る生徒に向けた話の中には人生のヒントがいっぱいです。

私自身、学生時代の校長先生の話などほとんど覚えていません。イイ話を言っていたのかもしれませんが、いつも右から左へ受け流してしまっていました。しかし、この本の話は、なぜか、すっと自分の中に入ってきました。

この本の校長先生の話には、例え話がよく出てきます。スポーツ選手の話やとある企業の社長の話など。一見、生徒とは関係のない話のように思えますが、その中から重要な部分を抜き取って抽象化し、生徒に当てはめて話してくれます。自分ごととして捉えやすくなるため、多感な時期の生徒たちにずっしりと響き、彼らが世に羽ばたいていくキッカケになっているのではないでしょうか。

とにかくこの本の話には愛を感じます。どういう人間になってもらいたいか、青春時代をどう過ごしてもらいたいか、話から校長の温かみが痛いほど伝わってきます。学生時代、校長の話に耳を傾けなかった大人たちに、ぜひ読んでもらいたいです。

みなさんも1日の始まりを校長の話から始めてみませんか?

 

男の子のやる気を引き出す 朝のことば

男の子のやる気を引き出す 朝のことば

  • 作者:平岡 宏一
  • 発売日: 2020/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】病める人を減らすことから始めよう『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』

f:id:SyohyouBlog:20201010215232j:plain
 

本書は、「良い人材が健全に定着する組織を科学的に作る方法」という副題と通り、人が定着しない「組織の病」の原因と対策を、マーケティング手法を使いつつ、豊富な具体例を出して分かりやすく解説してます。

みなさんの会社や組織では、バリバリ活躍する人が急に辞める一方で、仕事をしているのか分からない人や仕事が辛くて暗くなっている人などが身近にいませんか。それはもしかしたら、「組織の病」が蔓延しているのかもしれません。

「組織の病」とは、メンタルヘルスだけではなく、社員やチームの生産性低下、雰囲気が悪い、採用苦戦、離職など、これら全てが該当します。そしてこの病は、社員が感じる「不満や不公平感」といった「マイナス感情の蓄積」により発生し、そして広まる。この十人十色と思われる社員の「マイナス感情」をマーケティング手法を用いて分類して、対応すべきターゲット絞ることで効率よく解決する。一般的に顧客(市場)に向けて使うマーケティング手法を社員(社内)に用いたところが面白いですね。

では、どのように分類するのか。
まず、個人活性をピラミッド状に捉えると上から順に「①働きがい」、「②働きやすさ」、「③心身コンディション」となり、①が低下すると積極的な離職、②が低下すると消極的な離職、③が低下すると離脱(メンタルダウンなど)となる。

次に、組織の中の人材を5つにグルーピングして考える。このとき、会社を現在けん引している「優秀人材」よりも次に優秀人材になる可能性が高い「ハイポテンシャル人材」や
入社したばかりで次にハイポテンシャル人材になりえる「立ち上がり人材」を優先的に対策を行う。一見、「優秀人材」に対策を実施したくなるが、「優秀人材」は個人が求めるものが千差万別であることが多く、対策が打ちにくい。なので、思考や求めるものが似ている「ハイポテンシャル人材」と「立ち上がり人材」をまとめて効率的対策する。

余りにも効率的過ぎて恐ろしいですが、ノー残業デーのような全社一律の施策だと「①働きがい」を求める人からすると不満が溜まるのでちゃんと狙うというのは良いですね。 

そして、ターゲット層が決まったら、組織活性につながる「①働きがい」、「②働きやすさ」、「③心身コンディション」の各項目を、従業員意識調査、ストレスチェックなどを用いてモニタリングしながら改善施策を実行します。このとき、改善効果を測る指標は会社や組織によって見やすい項目が異なるので項目や内容の充実も適宜実施します。また、組織活性の把握はいくつかの指標を複合的に見ていく必要があるため専門家と協力して実施するのが良い。確かに、現場で実務を実施しているリーダーや管理職は分析までは手が回らないですね。

著者は、医師でありながら経営学修士(MBA)を取得し、産業医経営コンサルタントとして活躍後、『ココロを扱うコンサルティングファーム』として独立。産業医としての現場の肌感覚とコンサルタントとしての問題を分解して分かりやすく説明する能力により、人事のプロでなくても理解できる内容になってます。是非、組織の若手リーダークラスや管理職以上の方には、「最近の若い者は…」と言う前に、人材育成と管理の基本として読んでほしいです。

このように人材に関する評価手法や対策方法が確立しつつある今、少しずつではありますが多くの組織は良くなっていくと思います。一方で現場は人事の分析結果を待っていれば良いのかと言うと私は違うと考えてます。本書でも少し触れられてますが、社員のココロに「無関心」で「想像力の欠如」した組織ではいくら手法が開発されても「マイナスの感情」の発生を止められない。

社員のココロに関心を持つきっかけとして本書を読んでみるのはいかがでしょうか。

 

「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?

「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?

  • 作者:上村 紀夫
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)