著者は、1000社の企業、3万人のビジネスパーソンに対してコンサルティングを行った行動科学の専門家。
「人の行動」を変えるのには「内面」を変える必要があるが、短期間に「内面」を変化させることは難しい。
この本は、「行動」に工夫することで習慣を変える方法を紹介している。
特に、印象に残った2つのテクニックを紹介する。
1つ目、「『知らないので教えてほしい』を口グセにしよう」。
「知らない」と言えない人は大きな損をしていると著者はいう。
同じ業界に10年務めれば大概のことはできるようになるが、日々、進化するガジェットやサービスに対応し続けることは難しい。
使い方が分からずに試行錯誤するくらいなら、デジタルネイティブ世代に教えてもって手っ取り早く問題を解決する。
お礼に、ランチをご馳走すれば、人間関係が円滑になり、職場の風通しも良くなる。
「知らないので教えてほしい」と言えることは、限りあるリソースを別のことに回せる大切な能力なのである。
2つ目、『笑ってしまうほど「軽め」に初日を終える』 。
新しいことを始めるときは「初日から頑張り過ぎない」のがコツだと著者はいう。
力を入れすぎれば、息切れを起こすことになり、前日より「成果が少ない日が続けば」達成感が減少してモチベーションが低下するからである。
資格の勉強を1日1時間取り組んで3日坊主で終わるくらいなら、1日10分を3週間続けた方が、勉強時間が多いうえに、勉強する習慣を身に付けたことになる。
物事を始めるときは「頑張り過ぎない勇気」を持ってスタートすることが肝要である。
本書では、このような細かなテクニックが100個紹介されている。
自分のできそうなことを取り入れると、時間的、金銭的、精神的に効率よく物事を進められるようになる。
日々、細かい改善を続けた人は、人生の到達地点が大きく変わる。
1度に大きな変革を望むのではなく、細かな改善を重ねて人生をよくしていきたい。
作 者:石田 淳
発 売 日:2021年6月10日
メディア: 永岡書店