HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】やる気が出ない時、動く勇気が欲しい時にオススメ『刑務所なう。完全版』

たった10年前の話である。ホリエモンの獄中記。刑務所内からの出版である。数々の飲食店はじめ、教育機関ゼロ高等学院、ロケット打ち上げ事業などを次々に進めるホリエモン。いま、何かやりたいことを探していたり、勇気がなくて動けなくて悩んでいる人にこそ読んでほしい。自由ならなんでも出来る。一種のカンフル剤的な本書がここにある。

 当時収監1年9ヶ月間、生々しい日記配信を手紙としてスタッフに託し、ほぼリアルタイムでメルマガを更新したものが収録されている。日々行わねばならない作業のほかに読書をし、書評をしたため、毎日300回の腕立て伏せ。就寝前にビジネスアイデアを考え面会で伝え、理不尽な物言いにもぐっと我慢の子。塀の中でこれだけ出来て、なぜ我々が日常ではできないのか、いや出来ることは無限で自由だ、読んでいてそういう考えがフツフツと湧いてくる。

 様々な考察もよぎる。
刑務所入りたての当初彼は、作業も個室で気が滅入り、そして人と話したいと底から願う。やがて工場配属が決まると同じような受刑者同士の雑談も多少できる。外との面会の日はやはり制限のある中でも生き生きとした感じが伝わる。人間は社会性のある生き物なのだ。
行事の噂、各人の入っていた刑務所の食事の噂、鼻毛を抜く鋏が借りられるという情報といった雑談。そして新聞、テレビや書物、映画。手紙。(自身や諸々のメルマガ)外とのつながり、人との繋がりがこれ程重要だと改めて感じる。

 恐らくかかさずに記録しようと決めたであろう毎食の献立。単調な毎日のなか、幾度も現れる「幸せの閾値が低い」というフレーズ。食事は唯一、季節の変化が目に見える、幸せの一端であろう。

 外に出られるという希望。あと何ヶ月、と先を考えつつも先も考えたくなく目の間をこなす日々。当たり前のようだが、出たら何をしよう、という希望が無限のエネルギーをもたらしている。とすれば終身刑や死刑が宣告された場合は逆にどう気力を保って過ごしているのだろうか。

 実は映画化プロジェクトが現在進んでおり、評者もその一環のクラウドファンディングのリターンとして読んだ。映画化が楽しみだ。

発行日 2014年7月10日
著者  堀江貴文
発行所 株式会社文藝春秋