著者は、高卒者の約4割、大卒者の3割が就職後3年以内に離職している現状を目の当たりにし、その原因は、就職や転職の際に必要な情報が少なく、業種や職種の見込み違いなどにより起こるものだと考えたそうだ。そして、誰もが自分の人生設計ができ、就職や転職のミスを減らす手助けをしたいという思いから本書が出来たという。本書のタイトルを見た時、一瞬ドキッとしたが、著者のそのような思いが詰まったものだったのだ。
本書では、プロ野球選手や税理士、YouTuberや国家公務員、冒険家や中小企業のサラリーマンなど著者が選択した40の職業と、アナウンサーから政治家、会社員から作家など6つの転職例や4つの兼業例について挙げられ、職業図鑑のように職業別の特徴やその職業に就いた際の生き方について一つの実例を挙げて書かれている。
また、類書との違いは、職業ごとの基礎知識や年齢別の所得推移、生涯所得、またその職業に就くことによるお金には換算できないプラスの価値やマイナス面。そして今後その業界で考えられる課題など、その職業に就くまでの手順やその業界特有のデータについても細かく書かれているところだという。
子供の頃は、誰しも将来なりたい職業を思い描いたりもするものだが、成長と共に周りからの影響もあり、いつの間にか夢をあきらめ自分の力を過小評価している人は多い。すると、視野が狭くなりすぎ、やりたいことよりも無難なところで妥協してしまう。自分の人生、周りの意見など気にせず、どんなことでも自分の好きなようにやってみたいことには挑戦してみたほうがいい。本書からは、そういった助けになる多くの情報を得ることができるだろう。