日本、イギリス、アメリカ、イタリアの現地組織で就労経験を持つ、著者が海外の働き方の事例やデータを元にこれからの働き方について提言する。
まじめで働き者だけど、実は仕事が嫌いで、社会人になったらほとんど勉強もしないし、転職もしないという多くの日本のビジネスパーソンの仕事観が、いかに海外の人たちの仕事観と異なるかに気付かされる。自分も含め恐らく多くの日本人は、海外で働くという選択肢をそもそも考えていない(考えなくてもなんとかなってしまう)ので、そういう視点を持ち合わせていないだろうと推察する。
また、本書では過去の日本人とも比較されているが、同じ国でも時代が変われば、我々の親世代やそれ以前のビジネスパーソンでは、取り巻く状況も異なり、もっと世界情勢に関心を持っていたということは新たな気付きだった。そう言われてみれば、落合信彦などジャーナリストの分厚い書籍が本棚に並んでいたのを思い出す。
日本と海外で職業に対する考え方、見方、価値観や時間の使い方が全く異なっていることが客観的なファクトをベースにしめされている。
仕事や働くこと、幸せ、人生などについて改めて考えさせられる。
海外における将来の職業の見通し、リスクなどについても言及されているため、現在社会人として働いている人はもちろん、これから社会人になる学生にもオススメしたい1冊です。
著者:谷本 真由美
出版社:PHP研究所