HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】温室って居心地がいいわけじゃない。『温室デイズ』 

 

「社会はもっと厳しい。中学校生活なんて温室みたいなもんだ。」と先生たちはよく言う。先生や大人たちに守られた中学校という温室のなか、色々と面倒なことと戦う女子生徒の物語である。

「みんなちゃんとしようよ。まともになろうよ。」とクラスの前でみつるは言った。だんだんと荒れていく学校を見るのが辛く、変えたいという真っ当な思いが彼女の背中を押した。ただ、思春期の中学生は怖い。目立つ人がいれば徹底的に潰される。次の日からみつるはイジメられるようになった。

優子は、親友のみちるがイジメられる姿を見るのが辛く、自分はなにもできないからという理由で学校に行かない選択肢を取った。学校とは別で、地域の不登校の生徒が集まるようなフリースクールに通いつつ、卒業までの日々を過ごしている。

中学校から逃げずに戦うみつると、すぐに断ち切って逃げた優子。別に逃げてもいいし、戦うことが良いことでもないが、それぞれの場所で、卒業までの日々を二人はガムシャラに生きている。

「この支配からの卒業」という尾崎豊の歌詞が、この物語ではちょこちょこ出てくる。中学校生活という、与えられた空間で過ごすしかない毎日で、辛いことばっかりだったけれど、必死で生きてきた。卒業して振り返ったときに、あのガムシャラな日々を誇りに思う二人であった。