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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】日本の伝統と新技術の融合が世界を席巻する『ファッション イン ジャパン1945-2020流行と社会』

 

本書は「ファッション イン ジャパン 1945-2020 流行と社会展」の公式図録である。戦後から現在までの世界から注目されている日本のファッションについて、時代背景と共に当時の写真や雑誌、映像なども交えながら、その魅力、ユニークさが表現されている。

本書評では「世界への挑戦」「A-POC技術への挑戦」「サスティナブルとデザイン」として掲載されているISSEY MIYAKEについて取りあげる。三宅一生の世界への挑戦は1970年代から始まり、裁断、仕立てをせずに身体の動きに合う「一枚の布」や、皮膚と一体化し、身体の動きを制限しない「第二の皮膚」などISSEY MIYAKEの衣服の革新性は世界を激震させた。

また、コンピュータテクノロジーにより、一本の糸から一体成型で服を作る技術を開発し、ロール状に編み上げられた一枚の布には、帽子や服、バックがすでに編み込まれている。着る人が線に沿ってハサミを入れて切り取り、服づくりに参加できるコンセプトの「A-POC」は、あたかも着物を反物から仕立てる様子を彷彿とさせる。

さらに、地球環境や資源の問題に向き合うことにより出来上がった作品は、一枚の布を折り紙のように複雑に折ることにより立体化させ、元の平面へも戻せるものなど、全てが計算し尽くされ、ファッションという概念を完全にこえている。古来からある日本のものと新技術を融合させるその独自性は、とても魅力的であり、世界中の人々から愛され続けている。このようにISSEY MIYAKEは、洋服の可能性を常に進化させ続けているのだ。