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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】行き過ぎた幸福ブーム『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』

 

タイトルにネガティブとか成功という言葉が並んでいるのは非常に残念だが、内容は素晴らしい。いつも思うのだが、心理学の本は内容が素晴らしいのにタイトルに安い言葉を並べるところが少し寂しい。

最近の幸福ブームは行き過ぎている。人間にネガティブな感情が備わっているということは何らかの意味や役割があるからである。ピクサーの『インサイド・ヘッド』にあるように悲しみがあるから喜びがあるのだ。
不幸せが幸せの価値を身体に刻んでくれるのだ。教えてくれるのではない。行動変容や思考変容を痛烈に強いるからこそ『刻む』という言葉を使う。

よい人生とは本当に幸福や楽しみだけなのだろうか?
楽しさを犠牲にして意味のある行為のみ実行するのが人生なのか?
そのような過度な尺度をもっている人が増えたように思う。
異なる二つの考えを行き来することを『心理的敏捷性』というが、その時々の状況で発生した心理的状態を行動に活用することが大事であり、そのときにネガティブな感情が生まれたとしても、その人の人格を確定させることはない。そのように感情を全体として大きく広く捉え、過度な解釈をしないことがよい人生を送るカギとなる。

ユングの言葉を引用するが私たちは神と共に歩み、悪魔と戦っている。
本書でネガティブの必要性を確認しよう。