舞台は大正9年。主人公、晴臣の婚約者やまとが突然姿を消したところから物語が始まります。
月の神様の仕業で性別を奪われる「月読」になったのではないかと捜索を始める晴臣。
その頃やまとは・・・。
やまとが月読の保護施設にいる間に出会う人々の、悩む姿、喜ぶ姿を見て、やまと自身の性への囚われから解放されていく様子は、読み手にも「こういう生き方もあるのか」と気づかせてくれます。
この作品の舞台は大正時代とはいえ、いまだに残るジェンダー問題について一つのヒントを与えてくれているような気がします。
あなただったらどう思う?どうなりたい?どんな世の中だったらいいだろう?と問われているような。
ラストシーンは、まだ物語が終わらないのでは、という余韻を残しています。続編があるのか現段階ではわかりませんが、ぜひ続きを読みたいです!