人間の脳には幸福プログラムが組み込まれていると言う。その目的は、より幸せになることではなく、幸福になるための努力を続けさせることにあるそうだ。
人々のもつ幸福感というものは、非常に重要なものである。なぜなら、アメリカでの研究によると、ポジティブな感情表現が寿命の長さに変化をもたらすからだ。
また、不安や恐怖によるネガティブな感情は、そもそも石器時代、生命が危険にさらされていたため、緊急事態に対応するように設計された感情プログラムだと言う。
しかし現在では、そのような命の危険にさらされる状況は限りなく少なくなっているにも関わらず、感情プログラムのみが残され、自分が自分の不要な感情に振り回されてしまっているのだ。
現代だと、例えば物質主義がそれにあたる。アメリカ人の生活調査によると、家、車、別荘などの所有が、自分が理想とする生活に必要だと考える人が多いと言う。だが、実際に所有すると、また別のものを所有することが理想的な生活には必要だと考える。
このように、所有することへの執着は一生続き、手に入れただけでは、状況は何も変わらない。もちろん、自分の欲しいものが、幸せをもたらしてくれることはない。このような物質主義が、不満を生む元となっているのだ。
本書によると、ポジティブな感情を向上させるには、自分が好きなことを頻繁に行うことだと言う。調査では、友人との交流やスポーツ、外出、旅行、文化活動などがそれにあたる。
また、様々な「顔」を持っているほど、成功や失敗による幸福感の増減が少ないようだ。評者も最近新たな「顔」を持つことになった。自分では特に意識をしていなかったことでも、面白そうならやってみる。つまらなそうならやらない。たったそれだけのことなのだ。新たなことに挑戦することは、なかなか面白い。
本書では、ポジティブな感情を増やす方法や、ネガティブな感情から抜け出す方法についてまとめられている。そのため、本書を読み、ポジティブな感情を持ち続けることが幸せへの近道になりそうだ。