野村再生工場。他球団でまったく活躍できなかった選手や、かつてはチームの主力として輝きを放っていたがその後低迷していた選手が、野村監督のチームに移籍した途端に再生を果たします。代表的な選手は山崎武司選手で他球団からリストラ後の30代後半に生涯通算本塁打の半分以上を打ちました。
いつも弱小球団の監督を任されてきた野村監督は、この状況を「窮すれば通ず」と苦肉の策で乗り切ってきました。当然、勝利の為には選手に力を発揮してもらわなければなりません。
そこで、野村監督が行ったことは「気づかせ屋」になることでした。再生とは本来、力のあった選手が何らかの要因で能力を発揮できなくなった状態を正すことです。選手が持っていた先入観や、天性の素質に頼っていた考えを変化させ、選手自身が「己を知る」、「己を活かす」ことができるように助言を行っていきます。そうして選手たちはゆっくりと再生されていきました。
現在、短絡的な成功論や自己啓発などが蔓延っていますが、野村監督の生き方や考え方は古典的でもあり、現代にも通ずると思います。自らを「凡人」と名乗る月見草の考え方は何者でもない不器用な私たちにこそ必要ではないでしょうか。
皆で野村再生工場に入りましょう。今こそ一読を
