ノーベル賞を受賞した吉野彰氏が科学に興味を持った本ということで有名になった本書。化学で飯を食べている評者も読まなくてはと思い今回読むことにした。
内容はファラデーが実験の実演を行なっている様子とともに進んでいく。ロウソクをみて、真ん中だけ溶けているのはなぜか?、なぜ真ん中に糸が必要なのか?、火が燃えるには何が必要なのか?、火はどこが熱いのか?、それらを調べるにはどうしたら良いのか?。
ファラデーは次々観察から問題を提起し、その問題を実験によって解決する様子を見ていく。10年以上化学をやっている評者もそのファラデーの観察力、実験の組み方、実験の見せ方、すべてに驚かされてしまった。
さて、本書は数多く出ている『ロウソクの科学』のなかから『サイエンス・アイ新書』のものを選んでいる他のものよりも写真が多く、また、実験内容も現代もものに変えていたりしているので、実演というものを感じやすいだろう。
そして、何よりびっくりしたのは本書中の実験。小学生の時のある理科の先生が授業とはあまり関係なしに行った実験そのものであったのである。私はその実験から化学が好きになったのだが、もしかするとそれは『ロウソクの科学』だったのかもしれない。
『ロウソクの科学』は本当に子供から大人までに科学の楽しさを伝える名著だ。是非皆に科学の面白さを味わって欲しい。
「ロウソクの科学」が教えてくれること 炎の輝きから科学の真髄に迫る、名講演と実験を図説で (サイエンス・アイ新書)
- 作者: マイケル・ファラデー,白川英樹,尾嶋好美
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/12/15
- メディア: 新書
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